ストップ安とは?株価の制限値幅と売れない時の対処法

ストップ安とか、ストップ高という言葉は、株の売買をしているなら必ず聞いたことはあるでしょうし、これから株の売買を始めたい人は絶対に知っておかなければならないものです。

ストップ安と聞くと、「安値がそこで止まる?」とか、「下げ止まり?」などのように、色々考えてしまいますよね。しかし、実際には、「ストップ安って結局のところ何?」という疑問が残ることのほうが多いのではないでしょうか。

ストップ安というのは、値幅制限まで価格が落ちたことを言います。こう説明すると、次は「値幅制限ってなに?」という新たな疑問が生まれますよね。
そこでここでは、ストップ安について、ストップ安とは何か、そしてどんなときにストップ安になるのか、さらにはストップ安のときの対処法などについて紹介したいと思います。

同時に、ストップ高についても触れるので、ストップ安と一緒に覚えておきましょう!
ストップ安を知ることで、リスク管理を強めることができたり、新たなチャンス到来を知ることにもつながりますよ!

この記事を書いた人
株式会社ジャパンインベストメントスクール 株式投資コンサルタント ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格 日本最大級の投資スクール・メールマガジン「ジャパンインベストメントスクール」に所属。毎朝10万人以上に向けて、相場情報を届ける。

ストップ高・ストップ安とは

ストップ高やストップ安ってニュースでも株価のことを言っているときに聞いたりすることもありますが、投資をしているなら聞き流すことができない言葉ですね。

「ストップ安もあればストップ高もあるの?」と、混乱すると思うので、まずはストップ安について見ていきましょう!

【ストップ安について】

ストップ安とは、1日に株価が下がる幅というものを証券取引所において決められるのですが、その下げ幅いっぱいまで下がったことをストップ安と言います。
つまり、「これ以上は下げたらダメ!」というラインまで下げてきたことをストップ安と言うのです。下値を限定しているということになりますね。

このストップ安が存在する理由は、ストップ安がないと、どんどん価格が下がって市場がパニックに陥ってしまうからです。損失が大きくなりすぎることを防いでくれているものですね。

ただ、ストップ安が続くと、損失も大きくなるので、必ずしも守られているわけではありません。ちなみに、ストップ安というのは、英語では「limit down」と呼ばれます。ストップ安になってしまうと、保有している株価が下がるのでハラハラしてしまいますよね。

ストップ安になる状況としては、企業の業績悪化、粉飾決算発覚、大地震などの災害、有事が起きるなどが考えられます。

日本では有事はあり得ないから関係ないと思う人もいますが、例えば保有している企業が海外事業をしていたとしたら、そこで有事があったら株価も左右することがあるので、絶対に関係ないとはいえません。

【ストップ高について】

ストップ高とは、1日に株価が上がる幅を証券取引所が決めており、上昇幅の制限いっぱいまで上がってきたことをストップ高と言います。

ストップ高を設定していなかったら、買いたくても買えない状況が続いたり、買いたいと思っていた値段よりもかなり高い場所から買ってしまうというリスクが出たりします。

ストップ高やストップ安を設けることは、株取引の安全性を促すことにも繋がっているのです。ちなみに、ストップ高は、英語で「limit up」と呼ばれています。ストップ高になる状況としては、企業の業績がいいこと、自社株買いをしたこと、株式分割が行われたこと、その企業にとっていいニュースが入ったことなどが考えられます。

自社株買いとは、企業が利益から自社株を買って株価を上げることで、株式分割とは、株の価値は変わらないのですが、分割によって買いやすくなり、買う人を増やす行為のことです。その企業にとっていいニュースとなると、例えばオリンピック開催も上げられるでしょう。

オリンピックが自国で開催されるとなると、建築業などの業績は上がるので、オリンピック開催が決まった瞬間などはストップ高になった株がいくつかあったと言われています。

株価の値幅制限とは

株価というものは、チャートや証券会社にある電光掲示板を見ていても分かるように、上がったり下がったりするものです。この価格変動があってこそ、利益が出るものですよね。

しかし、株価が1日でとんでもなく上がってしまったり、逆に底知れぬ勢いで下がってしまったとしたら、市場はどうなるでしょうか。

例えば、下げ止まることなく下がっていったら、市場はパニックになって売り注文でいっぱいになりますね。そして、投資家によっては莫大な損失を出す人もいるでしょう。

市場の混乱を防ぐものが株価の値幅制限というものです。証券取引所が決めているもので、1日に動く値幅を制限しているものです。

ストップ高については、「ストップ高がなかったらもっと儲かるのに!」と思う投資家もいると思うので、値幅制限があることで利益も制限されることもあるでしょう。

しかし、ストップ安については、「寄らずのストップ安」という言葉もあるぐらい、投資家にとって嫌なものだと言われていますが、ストップ安があるからこそ壊滅的な損失を防ぐことも可能になるのです。

ストップ高・ストップ安の値幅制限表

ストップ安や、ストップ高が、証券取引所が決めている値幅制限だということは分かったと思います。では、証券取引所はどうやって値幅制限を決めているのでしょうか?表にしたのでごらんください!

ストップ高やストップ安は、前日終値によって値幅制限が変わるので、前日終値が重要になります。

【ストップ高・ストップ安の値幅制限表】

前日終値 値幅(上下)
100円未満 30円
100円以上~200円未満 50円
200円以上~500円未満 80円
500円以上~700円未満 100円
700円以上~1,000円未満 150円
1,000円以上~1,500円未満 300円
1,500円以上~2,000円未満 400円
2,000円以上~3,000円未満 500円
3,000円以上~5,000円未満 700円
5,000円以上~7,000円未満 1,000円
7,000円以上~10,000円未満 1,500円
10,000円以上~15,000円未満 3,000円
15000円以上~20,000円未満 4,000円
20,000円以上~30,000円未満 5,000円
30,000円以上~50,000円未満 7,000円
50,000円以上~70,000円未満 10,000円
70,000円以上~100,000円未満 15,000円
100,000円以上~150,000円未満 30,000円
150,000円以上~200,000円未満 40,000円

ちなみに、20万以上30万未満なら上下5万円、30万以上50万未満なら上下7万円、50万以上70万未満なら上下10万円、70万以上100万未満なら上下15万円となります。

ストップ高・ストップ安の値幅制限が拡大される3つの条件

ストップ高やストップ安は、状況によっては、値幅制限が拡大されることがあります。これって、ストップ高ならいいですが、ストップ安のときには、精神的に参ってしまいそうですよね。

ただ、簡単に値幅制限の拡大があるわけではありません。値幅制限が拡大されるには、条件があります。
その条件が、

  • 営業日連続でストップ高またはストップ安が続く
  • 営業日連続でザラ場中の出来高がない
  • 営業日連続で比例配分がない

というものになります。
「3営業日連続でストップ高またはストップ安が続く」というのは、3日連続でストップ高の状態ならストップ高の拡大になり、3日連続でストップ安が続くならストップ安の拡大になるというものです。

「3営業日連続でザラ場中の出来高がない」というのは、寄付から引けまでの取引時間に出来高がないことです。これが3日間続くと値幅制限が拡大されるというものです。

「3営業日連続で比例配分がない」というのは、ストップ安で売り株数に比例して買い株数を配分したり、ストップ高で買い株数に比例して売り株数を配分したりするものなのですが、この配分が3日間続くと値幅制限が拡大されるというものです。

値幅制限はどれくらい拡大されるの?

値幅制限が拡大されると聞くと、どこまで拡大されるのか心配になる人もいるでしょうが、値幅制限の拡大幅は決まっています。
値幅制限の拡大幅は2倍です。そのため、100円の制限が200円にまでなるということですね。

ちなみに、値幅制限の拡大は上下一緒に行われることはありません。どちらか一方だけが拡大されることになります。

例えば、ストップ安が続いて拡大条件を満たせば、ストップ安の値幅制限は2倍になりますが、このときのストップ高の値幅制限は通常通りで変わりません。逆の場合も同じです。

値幅制限はいつ解除されるの?

値幅制限の解除は、値幅拡大後、制限幅以外での売買が成立することによって、翌営業日から解除されることになっています。

つまり、ザラ場以内に出来高があることで、翌営業日から解除になるということです。

ストップ安になると株は売却できない!

ストップ安になると株を売ることができなくなります。というのも、ストップ安は制限値幅まで下がってきていること意味するので、買い手がなかなかいないのです。

ストップ安になる前から売り注文が多発して買い注文が入らなくなっているので、ストップ安になったらますます売却は難しいと思ってください。
ストップ安になってどんどん価格が下がってしまうと、売却できないことで資金を失ってしまう人も中にはいます。

さらに、ストップ安になると、上場廃止や倒産の可能性も0ではないので、売れないということはかなりのリスクがあることと同じです。
ストップ安が20日ほど続いたこともある企業もあるようなので、ストップ安になると自分の資金がどうなってしまうのか、精神的にもダメージが大きくなるでしょう。

「ストップ安」は嬉しいチャンスとなるケースもあり

ストップ安というのは、投資家から嫌われる状況ではありますが、どんな状況もストップ安がヤバいとは限りません。

実は、信用売りをしている人にとっては、ストップ安ってとっても嬉しい現象になるのです。信用売りとは、空売りのことです。

信用売りをするときは、売りから入って、入った価格よりも下がったところで買い戻すことで利益が出るので、下がれば下がるほど利益になります。そのため、ストップ安になったほうが都合がいいのです。

信用売りは、株式投資でも、下げているときに利益が出しやすい投資方法なので、ストップ安になると嬉しい状況を迎える人もいるのです。
株式投資をするときは、値上がりしそうな銘柄だけではなく、値下がり基調の銘柄も一緒に保有することで、上下のリスクを減らすことができ、利益確定に繋げることもできるということなのです。

ストップ安の銘柄を見つける方法

ストップ安の銘柄を見つける方法ですが、チャートを確認したり、安値を毎回確認したりしていると、大変な作業のように感じますよね。ストップ安の銘柄を見つけるときは、YAHOO!JAPANファイナンスというサイトを参考にしましょう。

【YAHOO!JAPANファイナンス】
https://info.finance.yahoo.co.jp/ranking/?kd=28&mk=1&tm=d&vl=a

こちらのサイトから、ストップ安になっている銘柄を見ることができます。
項目の部分を株式にして、ストップ安を選ぶとストップ安になっている銘柄が見れ、ストップ高を選ぶと、ストップ高を見ることができます。一覧になって出てくるのでとても便利なサイトですよ!

さらには、掲示板もあって、同じ銘柄を持っている人の心理を見ることもできます。ただ、あまり人の意見に左右されるのもよくないので、あえて見ないという選択肢もあるでしょう。

ちなみに、YAHOO!JAPANファイナンスでは、FXや投資信託、経済ニュースについても見ることができるので、保存しておくと便利なサイトでもありますよ!

ストップ安となった株をつかんでしまった時の対処法

自分が持っている銘柄がストップ安になったとき、なにもできずにただ呆然としてしまう人もいれば、「どうしよう!」と慌ててしまう人もいるでしょう。
ストップ安になったということは、「もうダメかもしれない…」という最悪のことを絶対に考えてしまいますよね。しかし、対処法はあります。

大切なのは、株の売買を始めるまえに、「もしストップ安になったら、こうしよう!」というルールを決めておくことでしょう。事前に対処法を決めておくことで、冷静かつ適切な判断ができるでしょう。

ここでは、ストップ安になったときの対処法について紹介するので、是非参考にされてくださいね!

慌てて株を売ってはダメ!

ストップ安になったら、「ヤバイ!資金がなくなる!」とか、「売れなくなる!どうしよう!」と気持ちが焦ってばかりで、慌てて株を売ってしまう行動に出る人がいます。

これは、当たり前の心理といえば、当たり前なのですが、慌てて株を売ってしまっては、1番最悪なところで売るハメになる可能性が高くなるでしょう。

ただ、株というものは、チャートを見ていたら分かると思いますが、下がったものは必ず上がってきます。どこかで必ず反発があるので、その反発を待ったほうがいいときもあるのです。

ストップ安になると、だいたいが1週間以内に反発しているという説もあります。もちろん例外もありますが、ストップ安になっても資金に余裕があるときは、慌てて売ってしまわずに、状況を判断することが大切です。

しかし、どんなストップ安も、1週間待てばいいというものではありません。なぜストップ安になったのか、原因を知ってください。原因が分かれば、上がってくると判断できるものもあるでしょう。

ストップ安の株は冷静に対応しよう

ストップ安になってときに、1番大切なのはとにかく冷静になることです。もちろん損が大きくなって不安にもなりますが、冷静さを失うことはリスクを増大することと同じです。

冷静さを失って、他の保有株にまで影響が出たら、たまったものではありません。また、冷静な判断なしで売ってしまっては、後々後悔する可能性も高いでしょう。

実は、ストップ安になるということは、低いところから買うチャンスも出てきているということになります。

買いポジションを増やして損を減らすことも可能ですし、安いところから買ってくる投資家を待つのも1つの手でしょう。

株というものは、上がっていると追いかけて買いたくなってしまうものですが、上手な投資家というのは、必ず下がったときに買ってきます。なるべく底を掴みたいというのが、上手な投資家の心理なのです。

例えば、昔あった例ですと、オリンパスやシャープ、東電などがストップ安になりました。この場合、なぜストップ安になったのかをニュースを見て調べてください。

オリンパスは社長問題、シャープは業績悪化、東電は地震が原因でしたね。しかし、オリンパスは社長問題だけで業績は悪化していなかったので、ストップ安をつけても、すぐに戻しました。

シャープは、技術が素晴らしいので、政府と台湾のグループが支援を名乗りでて、台湾のグループが助けることになりましたね、

そして東電は大株主がついていますし、まず倒産しないと思っていい企業でしょう。このように、ストップ安になることで、買い注文が入りやすくなる銘柄もあるということを覚えておいてください。

いい銘柄を持っている場合は、手放したらもったいないのです。下がったところでまた買って、利益につなげようとする余裕を持ってください。そのためにも、冷静さが大切です。

ストップ安は、時には「ピンチがチャンスになる」と思ってもいいのです。

ストップ高の注文方法

ストップ高のときは、ストップ高になった値段での成行注文か指値注文で注文を出します。約定するかは、比例配分なので、確実ではありませんが、もし運がよかったら約定することができるでしょう。

ストップ高の注文は、取引終了時間である15時に比例配分で抽選されて決まります。約定したときは、売却方法を考えないといけません。すでにストップ高になっているので、これ以上あがるのか、もうすぐ下がってくるのかの見極めが大切です。

株は上がったものは下がる習性があるので、ここには気をつける必要があります。もし上げの勢いがすごい場合は、持っていてもいいでしょうが、ある程度利益が出たら欲を張らずに売却してください。

もし、翌日、取引が開始してすぐにストップ高となった場合は、ストップ高になった値段から1円下がったところで決済注文を入れておきましょう。こうすることで確実な利益を獲得することができます。

そして、翌日にストップ高にならなかった場合は、成り行きですぎに決済してください。下げ始めたら勢いよく下がってしまうので、今ある利益を確実に取りましょう。

ストップ安の注文方法

続いて、ストップ安のときの注文方法ですが、基本的にはストップ高のときと同じです。ストップ安になった値段での成行注文か指値注文で注文を出します。

取引終了時間である15時に比例配分で抽選が行われ、その抽選に当たれば約定します。ストップ安のときの売却方法ですが、上昇までに1週間ほど待つこともあることを先に覚えておいてください。

だいたい1週間ぐらいで上がってくるので、月曜日に注文を入れたとしたら、次の月曜日で売却する準備をしておきましょう。もしくは、ストップ安が続きそうなときは、少し利益が出たときには売却しておいたほうがいいかもしれません。

ストップ安がずっと続くと、売却できなくなるので、利益確定はしっかり見極めて行いましょう。

まとめ

ストップ安について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?ストップ安とは、証券取引所が決めた制限値幅まで価格が下がることでしたね。ストップ高は、その反対で制限値幅まで価格が上がることです。

ストップ安になる要因としては、企業の業績悪化や粉飾決済、地震、有事などがありました。ストップ高になるときは、企業の業績良好、自社株買い、オリンピック開催やいいニュース情報などでしたね。

ストップ安になってしまうと、株の売却ができなくなったり、どんどん値段が下がっていってしまって損が増えたり資金をなくしてしまう恐れもあります。1番最悪なのは、ストップ安になることで、その企業が倒産してしまうことですね。

また、ストップ安やストップ高は条件が揃うと値幅制限が拡大され、2倍になります。ストップ高のときはいいですが、ストップ安のときの拡大はハラハラするものですよね。

ただ、ストップ安というものは、皆が皆困るものではなく、信用売りをしていた人にとっては願ってもみないチャンスの訪れになります。

もしストップ安の株を持ってしまったときは、慌ててすぐに売らずに、なぜストップ安になったのかを見極めて判断するようにしましょう。ストップ安は1週間以内に反発が起きやすいとも言われているので、状況判断が非常に重要になります。

とにかく冷静になってストップ安のときは対応していくことが大切です。チャートだけでなく、経済ニュースもしっかり見て、ストップ安の原因を探ってください。銘柄によっては回復が早い場合もあるので、焦りだけは禁物です!