板読みの意味をわかりやすく解説!初心者でも値動きを読んで売買する方法とは

相場参加者の売買注文を表示している「板情報」を元に、売買タイミングを見極めるスキルが「板読み」です。

特にデイトレやスキャルピングでは必須となり、活用できるのとできないのとではトレードの勝率に大きく差が出てしまう板読みですが、あなたはしっかりと板読みを身に付けられていますか?板読みは細かな数字が多い上に、その場その場で毎回動きが違うので難しく感じることもありますね。

実際に板読みを実践したくても、コツが掴めなかったり、損切りのタイミングを把握できなかったりするとなかなかトレードで生かせないということもあるでしょう。

ですが、一見難しそうに思える板読みも、基本的なことから着実に練習していけば必ずモノにすることが可能です。優れたデイトレーダーやスキャルパーは必ずと言っていいほど体得している板読みをマスターすることは、株や先物、ビットコインのような相場で勝つことにおいて非常に重要です。

この記事で「板読み」の基本から応用までマスターして、デイトレやスキャルピングのような短期トレードで確実に利益を上げられるトレーダーになりましょう。

この記事を書いた人
株式会社ジャパンインベストメントスクール 株式投資コンサルタント ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格 日本最大級の投資スクール・メールマガジン「ジャパンインベストメントスクール」に所属。毎朝10万人以上に向けて、相場情報を届ける。

板読みの意味とは?売買タイミングを知るために必要なスキル

板読みとは、値段ごとにどのくらいの売買注文が出ているかを示す「板情報」から、適切な売買タイミングを読み解くスキルのことを意味しています。

特に刻一刻と変化するリアルタイムの状況に応じてトレードを行う、デイトレやスキャルピングのような短期売買では、板読みができることが非常に重要です。

板情報は株や日経225、先物、ビットコインのような仮想通貨など、多くの投資商品で見ることができるため、板読みスキルを身に付けておけばさまざまなトレードで応用が利くことと思われます。

それでは、まず板情報を表示している「板」についての基本的な見方についておさらいしておきましょう。板は株価が並んでいる真ん中の列を境に、左半分が売り注文を表す「売り板」、右半分が買い注文を表す「買い板」となっています。

売り板は上から下へ、買い板は下から上へ向かって現在の株価へと近づいており、中央を挟んで両方の勢力がせめぎ合っていると捉えると良いでしょう。

板を見る際には、買い板と売り板のどちらが注文数が多いかに注目してください。これを見ることにより、その時々で売り買いどちらの需要が多いか素早く把握することができます。

「買い板が厚い」といったように、注文数が多く出されていることを「板が厚い」と表現されることも多いので、頭に入れておきましょう。

板読みのコツ

板読みが上手くなるコツとしては、「注文の動きや変化」を読み取るといった基本的なことからしっかり練習することが大切です。

そこから徐々に板読みを使ってだましの回避やブレイクの判断、大口の動向を見抜くといったテクニックまでできるようになれば、トレードにおいて非常に大きな武器となります。

そのためにも、まずは基本から着実に成長していきましょう。

板読みの基本スキル・板情報の文字

株などで板読みを練習していると、「前」のようによくわからない文字が注文の横に表示されていて戸惑うことがあるかもしれませんね。このような文字は、注文状況がある一定の条件になった場合に表示され、頻繁に目にするものには「特」・「前」・「S」・の3種類があります。

ここではそれぞれの意味について学んでいきましょう。

板情報における「前」の意味

「前」という文字は「寄り前気配」のことで、前場・後場の開始する9時や12時30分よりおよそ30分前くらいから板情報を開くと、寄り付き前の注文状況と共に表示されています。

ツールによっては「寄」と表示される場合もありますが、こちらも「前」と同じ意味です。

板情報における「特」の意味

「特」という文字は「特別気配」のことで、短時間の間に大量の注文が殺到した場合に、一旦取引を中断して調整を行っている状態を表しています。

決算や不祥事など、大きな材料が発表された際に見かけることが多いでしょう。

板情報における「S」の意味

「S」という文字は「ストップ高・ストップ安」の状態を表しています。

この状態の時に勘違いしてはならないのが、必ずしも一日中ストップ状態で張り付いているわけでないということで、途中で「はがれ」となり取引が再開することもありますので注意してください。

フル板で板読みするコツ

「フル板」表示対応のトレードツールであれば、尚のことレベルの高い板読みをすることができます。フル板とは制限値幅いっぱいまで注文状況が見れる板のことで、通常の板が基準値から上下8段なのに比べると、非常に多くの情報を得ることが可能です。

さらにフル板が便利なのは引け注文の数まで確認できるということで、フル板で板読みをする上ではこのような特徴を活用することがコツとなります。特に、ザラ場では指値なのが大引けで成行に変わる「不成注文」の数は要チェック。

この数は注文を出すタイミングを判断する上でとても参考になります。
また大きな注文を出す方であれば、いくらの指値を出せば一度にまとめて買えるかがわかる、注文の累計表示ができることも役立つでしょう。

板読みで損切りを判断する

板読みを使って、投資のリスク管理において重要な「損切り」の判断もしてみましょう。

基本的に板においては「890円」や「900円」といった、キリの良い数字が一つの節目となる傾向があります。つまり、その数字を抜けると一気に上下にブレイクする可能性が高いということ。

そのため、損切りの際にはこのような節目の数字を意識し、自分のポジションと逆方向のブレイクが起こる前に決済することを意識すると良いでしょう。

また、なるべく板の厚い銘柄の方が相場参加者が多く、損切りがしやすいので初心者にはおすすめです。

板読みでライン上のブレイクを判断する

板読みとチャートのラインとを併用し、板読みを通してライン上のブレイクを判断する手法も有効です。

この場合の板読みは、大口トレーダーが一気に注文を出し、ラインをブレイクさせて多くの一般トレーダーを罠にかけるタイミングを把握するのに使います。

主に、チャートにおいて前日最安値などライン際での攻防が始まったら板情報に注目してください。おそらく見せ板などのだましが仕掛けられるようになるでしょう。

そして、チャート上でもライン際での反転を予感させるように、小さな陽線がぽつぽつ出現してくると思われます。

そうなった場合はそろそろラインがブレイクすると考えられます。少しづつ相場の勢いが落ちてゆき、板に買い注文が出なくなったのをきっかけに一気に売り注文を出してラインをブレイク。

チャートだけを見て板読みをしていない一般トレーダーが多く罠に掛けられるというわけです。

ですが、しっかりと板読みも併用していればこの大口の罠を事前に察知が可能となり、ブレイクに合わせて空売りをすれば大きく利益を取れるでしょう。

板読みと合わせて覚えておきたい歩み値

板読みと合わせて、是非とも覚えておいて頂きたいのが「歩み値」です。歩み値は株取引の経緯が示されたもので、「いつの時間に何株の注文がいくらで約定したか」といった情報を見ることができます。

歩み値の最大のメリットが、大口トレーダーの動向を把握しやすくなることです。大口は「30,000株」といったように桁違いの注文数で取引を行っているため、約定数の表示される歩み値をチェックしていれば一目でわかることでしょう。

板情報だけでは大口の動きを察することが難しいため、歩み値を合わせて活用すると非常に役立ちます。

板読みトレードテクニックの活用

板読みトレードのテクニックを活用するには、最初に「自分の注文が相場の値動きに影響を与えている」という事実を認識することが大切です。その上で、板読みによりチャンスを窺いつつ最も効果的なタイミングでエントリーすることを意識しましょう。

凄腕の証券ディーラーである山本伸一氏は、板読みトレードでの重要なポイントを主に4つに分けて解説しています。

非常に参考になると思われますので、ここではその概要について見ていきましょう。

板読みに有効な4つのポイント

パニック・オーダー

相場においては、「急いで買わないと利益を逃してしまう」「急いで売らないと損失が大きくなってしまう」という2つの心理状態が焦りを生み出し、パニックのような注文を誘発します。

これを利用した手法が「パニック・オーダー」で、フル板の指値情報やアローヘッドシステムの高速取引を活用し、パニック状態の中で冷静にチャンスを窺いながら利益を狙います。

ディレクション・ストロング

例えば503円で買いたい株を、自分があえて504円で買うことで相場の勢いを演出することができるでしょう。

「ディレクション・ストロング」はこのような効果に着目した手法で、適切なタイミングで行うことにより他のトレーダーの買いを誘うことを狙います。

グッド・チャート

「自分も相場に影響している投資家の1人」であることを意識し、板情報と歩み値を活用しながら適切なタイミングで注文を入れることで、シグナルとなるチャートの形を誘発する手法が「グッド・チャート」です。

ゲット・アップ・ティック

板の薄い銘柄では、買い注文と売り注文の間にスプレッドが開いていることもあり、ついつい購入をためらってしまいがちです。

そこで最も利益の上がる可能性が高い一手が「ゲット・アップ・ティック」という手法で、大口にはできない方法で利益を取りに行く方法となっています。

アルゴリズム取引を利用した板読みテクニック

機関投資家のような大口が多く活用するのが、プログラムによる自動売買の「アルゴリズム取引」です。アルゴリズムは一見厄介にも思えますが、その特性を理解して逆手に取ることで利益を生むチャンスにも繋がります。

板読みテクニックとしてはアルゴリズム取引の中でも、「ステルス注文」に注目するのが良いでしょう。ステルス注文とは板に注文を表示せず、他のトレーダーが反対の注文を出した瞬間に高速取引により約定させるというもので、大口が買い集めていることを悟られないために行います。

しかし、板と歩み値を同時表示で見ていれば板は一瞬点滅し、歩み値にはバッチリ記録が残るためこれを見破ることが可能。

しばらくすると大口がステルス注文で玉を集めている方向へブレイクする可能性が高いですから、その方向へのエントリー準備をしておきましょう。

板読みを活用したアイスバーグ注文

板読みをする上で、是非見抜けるようになっておきたいのが大口による「アイスバーグ注文」です。アイスバーグ注文とは「見せ板」と「分割発注」を組み合わせることによる買い集めの手法であり、大口がポジションを作りたいと考えている時には多く使われています。

その方法としては、まず売り板の方に大きな注文の見せ板を複数出し、非常に上値が厚くなっているように見せかけます。それを見た一般トレーダーがひるみ、諦めて持ち玉を売るのを狙ってステルス注文で買い集め。

十分に買い集めが完了したところで見せ板を外し、一気に上へブレイクさせるといった流れになります。このようなアイスバーグ注文でも、板読みと歩み値を平行してチェックすることでいち早く察知することが可能です。

うまくこれを利用して、大口がブレイクさせる波に乗ることができれば大きな利益を上げることが可能となるでしょう。

板読みの教材としておすすめの本

板読みに関して書かれている本の中にも優れた教材となるものが多くあり、手元に置いておけば板読みを学ぶ際には多いに役立つことと思われます。

ここでは板読みの教材として、特におすすめの本を厳選してご紹介します。

「朝9時10分までにしっかり儲ける板読み投資術」


「Bコミ」のハンドルネームでも知られており、講演や株式セミナー、ラジオNIKKEIや日経CNBCなどのメディア出演を通じて株式投資の情報を発信している、坂本慎太郎氏の著書です。

本書では前場開始の午前9時から、チャンスタイムである10分間に板読みを駆使して利益を上げる方法について記されています。

本を読むだけではなく、実際のトレードで板読みを繰り返してスキルを身に付けることを前提としており、板読み初心者からコツコツと練習してステップアップしていきたい方にはピッタリの一冊と言えるでしょう。
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?c=2011323200006

また、本書の内容をより詳しく解説したDVD版も発売しているため、深く知りたいと感じた方はそちらもチェックするのがおすすめです。

ユーザーレビューより抜粋
❝自分も元ディーラーでしたが、新人の時に先輩に怒られながら教えてもらったことが書いてありおもしろく追体験させてもらいました。
基本的に板って何?と思っている人にとっては非常にわかりやすいと思います。
あと同値撤退の方法が書いてあるのは初心者は非常に重要な点だと思います。なかなか逃げ方を書いてある本は少ないのでためになる一書です。❞
❝内容の中心は板読みの基礎の基礎。なんのために板読みが必要なのか、どんな点に着目したらいいのかがまとめられています。
本を読むだけで板読みできるようにはなりませんが、参考にして板を見、また読み直していけば徐々に書いてあることの理解が進んでいきます。
これから板読みを試してみたいという人におすすめの本になっています。❞

「投資家心理を読み切る板読みデイトレード術」


サラリーマン勤めから株のデイトレードにより、資産を2億円超まで増やした実績のある「けむ。」氏の著書です。

著者はデイトレの中でも特にスキャルピングを得意としており、そこでの経験で培われた板読みスキルに関してはもはや達人級。本書では、その知識を出し惜しみすることなく紹介してくれています。

構成としては、前半の1〜3章はデイトレードを行うにあたってのメンタル管理や考え方について、後半の4~7章では具体的な経験談を交え、実践的な板読みの方法やテクニックについて解説しています。

2010年出版の本ですが、時代に流されない板読みの本質について記されているため、現在に読んでもトレードにおいて非常に役立つ知識を学べることでしょう。

本書は実際の投資に役立ったと評価された作品に贈られる賞である、ブルベア大賞2010-2011の特別賞を受賞していることもあり、その評判についても折り紙付きです。

ユーザーレビューより抜粋
❝内容充実!出し惜しみのない力作だと思います。
株本は短期トレードを中心に50冊以上は読んでますが個人的にはベスト3に入る良書です。
板読みに限らずトレードで継続的に稼ぎ続けるために必要な心構えや考え方がしっかり書いてあります。❞
❝エントリーに迷いが出た時には必ず読み返す本となりました。
時代と共に手法は変わっていくと思いますが、売買のシステムを考案するのも今の所は人間が考えているので、基本的に板の向こうの対戦相手を意識する事はそう変わらないと思います。実践してこそ思いあたる問題や疑問が詳しく説明してありますので、何とも心強い本です。❞
❝「歩み値」の分析も優れたものです。類書にはこの点について触れて
ないものがほとんどです。中級者、上級者にとって座右の書であることは否定できません。❞

板読みが難しい人向けの基本的な練習方法

ここまで板読みに関して、様々なコツやテクニックをご紹介してまいりました。しかし、実際にやってみると「やっぱり板読みは難しい…」と感じてしまうこともあるかもしれません。

板は決まった法則に基づいて動いているわけでなく、その時その時で毎回動きが変わってしまうのでなおさらですよね。そこで板読みが難しいと感じる方は、シンプルな基本的な練習を繰り返すことで徐々にステップアップしていくことをおすすめします。

ここでは、板読みを練習する上でも特に重要なポイントを3つに絞って解説いたしますので、是非とも練習の参考にしてみてください。

①歩み値の色に慣れる

まず最初は、板読みにおいて重要な歩み値の色に慣れることから始めましょう。

歩み値に表示されるのは値上がりの「赤」、値下がりの「緑」、変わらずの「白」という3色しかありませんので、どの色かを見ただけで素早く、何の注文が入ったかわかるようになるようになるまで繰り返し眺めてみてください。

②板と歩み値のスピードを意識

そうしたら次は、板と歩み値が流れるスピードを意識します。これらのスピードというのは注文の出された数によって変化するため、つまるところ相場参加者たちの心理を如実に反映しているのです。

基本的に、スピードが遅い時は様子見ムード、スピードが速まった時はチャンスやピンチで焦っていると捉えるのが良いでしょう。これらのことが自然にできるようになれば、板と歩み値を見ているだけで相場の流れや心理状態を深く把握できるようになっていることと思われます。

③大口の動きに素早く反応できるようになる

そして最も重要なのが、相場の行方を左右する「大口」の動きに素早く反応できるようになることです。そこで、歩み値に極端に大きな数の注文が出るのを注意しながら見つめてみましょう。

そのような注文は大口が動いたというシグナルであり、その後では途端に値動きが激しくなることがほとんど。そのため、大口の動きに素早く反応することに慣れれば確実なエントリーポイントを見極めることが可能となり、格段に勝率が上がることは間違いありません。

板読みにはさまざまなテクニックがありますが、トレードで利益を上げることにおいてひときわ重要となるのはこのシンプルな3つのスキルです。板読みに苦手意識を感じている方でも取り掛かりやすいと思われますので、是非とも試してみてください。

板読みにおすすめのツール

板読みを駆使してトレードで勝ちたいと考えているなら、知識は技術を身に付けることはもちろんですが、板読みに適した環境作りも大切です。

トレード環境で最も重要な役割を果たすのがトレードツール。そんな、トレードツールの中で板読みにおすすめなのが、マネックス証券の提供している「トレードステーション」です。

トレードステーションは第一に、”最速4.1ミリ秒”と非常に発注スピードが速くデイトレやスキャルピングに適していることが挙げられます。これは他社ツールの約4倍速にも匹敵。

その上、

  • フル板対応
  • 板に表示する値段の単位を変更可能
  • 板と歩み値や出来高、VWAPなどの指標を同時表示
  • 板表示画面からワンクリック注文

などと板読み投資に便利な機能が多く搭載されているのもポイントです。

これだけ機能が充実していると、「利用料が結構高いのでは?」と思われたかもしれませんが安心してください。なんとマネックス証券に口座を開設すれば、トレードステーションは無料で利用できてしまいます。

口座開設も無料なので他の証券口座をメインに使っている方でも、トレードステーションだけ利用するために開設するという選択肢もありでしょう。

まとめ

今回は板読みの基本から活用方法、歩み値と合わせた使い方まで幅広く解説させていただきました。

板読みは投資初心者には難しく感じられるかもしれませんが、コツコツと知識を付け、繰り返し練習をすることで必ず身に付けられるようになります。

板読みをマスターすることができれば、株だけでなく先物やビットコインなど、別の投資対象をトレードする際にも非常に有利となりますので、コツを掴めるようになるまで何度も挑戦することをおすすめします。