株の損切りってどうすれば?初心者でもわかるコツとルールの作り方

株式取引で損失を抑えるには、正しいタイミングで損切りをすることが非常に大切です。損切りのやり方がわからないまま投資を続けると、思わぬところで大損してしまうことも。

この記事では、投資初心者向けに損切りのコツをわかりやすく解説していきます。ここで損切りの基本をしっかり理解して、資金効率の良い投資を行なっていきましょう。

この記事を書いた人
株式会社ジャパンインベストメントスクール 株式投資コンサルタント ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格 日本最大級の投資スクール・メールマガジン「ジャパンインベストメントスクール」に所属。毎朝10万人以上に向けて、相場情報を届ける。

株の損切りとは

まずは損切りに関する基礎を理解しておきましょう。

株の損切りとは何か

損切りとは、損失を抱えている状態で保有している株式等を売却して損失を確定させることをいいます。ロスカット・ストップロスと呼ばれることもあります。株式投資は基本的に株の値上がり益(キャピタルゲイン)を目的としたものです。

しかし、どんなに株式を吟味して投資を行ったとしても、その株が値上がりせず、逆に値下がりしてしまうことがあります。投資に確実なものはありません。

株式の場合、値下がっていても、売却しなければ損失とはなりません。そのような状態は含み損と呼ばれますが、株式を売却してはじめて損失となります。

しかし、当分値上がりが期待できないような株式を含み損を抱えたままで保有していても、さらに値下がりしてしまう可能性がありますし、投資を塩漬けした状態となってしまうので、手元の現金が少なくなってしまいます。

以下の図を使って、損切についてさらに詳しく解説していきましょう。

この図のように、Aの地点でエントリーしたとしましょう。しかし、予想に反して値段がどんどん下がっていく傾向にあります。そのまま放っておくと、評価損がどんどん広がっていってしまいます。

4月20日の段階では値上がり傾向にありますが、それでもエントリーした価格まで戻るまでにはまだまだ時間がかかりそうです。この場合、無理に投資を継続せずにBの地点で損切りすることができれば、損失を小さく抑えて、再エントリーすることも可能でした。

このように、損切りをタイミングよくすることができれば、損失を最小限に抑えることができ、損失額が少なくて済む分、再エントリーしやすくなるのです。

株で損切りできないとどうなるのか?

損失を確定せず、いつまでも損切しないでいると、どんどん含み損が拡大していってしまう可能性があります。その場合、確かに損失は出ませんが、将来的に大きな損失を抱えるリスクをいつまでも保持していることになってしまうのです。このように、売るに売れない状態の株を「塩漬け株」と言います。

塩漬け株を保有していることは、損失を先送りにしているだけではありません。別の投資のチャンスを逃すことにも繋がります。

たとえば、100万円の投資資金があるとき、そのうち90万円で投資したとしましょう。この投資が期待通りにいかず、現在60万円に値下がりしてしまった場合、30万円の含み損を抱えていることになります。90万円で投資をしているので、10万円しか手元に残っていません。

ここで、60万円で損切りをしておけば、確かに30万円分の損失は出てしまいますが、手元に現金は70万円残ることになります。

このようにきちんと損切りを行うことができれば、手元の現金を確保することができます。手元に現金があれば他の投資先に投資をして損失を取り戻せるかもしれません。

しかし、損切りをしない状態であれば、いつまでたっても損失を取り戻すことはできません。このように、損切りをすることは、損失を拡大させないようにするだけではなく、手元に投資資金を確保するためにも重要なことなのです。

株で損切りできない理由とは

投資初心者の場合、損切りができない主な理由は目先の利益に囚われすぎているからです。誰でも損失を出したくないと思っています。しかし、株式投資で全く損失を出さないことは不可能です。

そのため、考えなければならないことはいかに損失を少なくするかということになります。投資初心者は、損失をできるだけ出したくないので損切りがなかなかできません。しかし、損切りをしないことはむしろ損失を拡大させているのと同じなのです。

損失を少なくするためには、損切りをきちんとしなければなりません。損失を恐れていつまでも損切りしなければ、確かにいつかは値上がりして損失はなくなるかもしれません。

しかし、それが1年後になるか、また5年後になるか、もう二度と戻らないのかは誰にもわかりません。損失を先送りにしておけば確かに損失は出ませんが、大きなリスクを抱えていることには変わりがないことをきちんと理解しておく必要があります。

株で損切りできる人とは

損切りができる人は、常に先を見て投資を行っています。目先の利益に囚われてはいません。損切りができない人は今損失を出すことを恐れます。

しかし、損切りができる人は、今損失が出ても将来また取り戻せば良いと考えます。このように損切りができる人は常に先を見て投資を行うことができています。

投資初心者の場合、なかなか先をみて投資をすることができないために、なかなか損切りができない傾向にあります。

株の損切り貧乏とは

損切りが重要だからと言って、損切りばかりしていては常に損失がで続けてしまいます。そのように損切りを繰り返して常に損失が出ている状態を「損切り貧乏」と言います。

常に損切りを繰り返して、資産が目減りしてしまっているからです。損切りが重要だと言っても、闇雲に損切りをすればよいというものではありません。値下がりしても、すぐに値上がりが見込める場合には損切りする必要はありません。

ずっと値下がりしていく可能性があるときにきちんと損切りして、損失を最小限に食い止めることが重要なのです。

株で損切りをする3つのポイント

それでは、どのように損切りをしたら良いでしょうか?以下では、上手に損切りするための3つのポイントを紹介していきます。

株で損切りをするポイント①「ルール化する」

上手に損切りをするためには、損切りをルール化しておくことが大切です。ルール化しておくことによって、機械的に損切りができるようになります。誰でも当然損失は出したくないので、なかなか損切りはしにくいものです。

そこでルール化しておくことによって、機械的に損切りができるようになります。そうすれば、損切りのタイミングが遅れることもなくなり、無駄な損失を被る可能性が少なくすることができます。

株で損切りをするポイント②「損切りラインの目安を決める」

損切りをルール化する際に、具体的に損切りをするための損失額を決めておくことが重要となります。そのためには、損切りラインの目安を決めておく必要があります。

目安を決めておけば、損失が大きくなってから慌てて損切りをする必要もなくなります。

株で損切りをするポイント③「逆指値注文」

実際に損切りをしようと思ったら、注文の仕方にも工夫が必要です。損切りの際には、逆指値注文が便利です。逆指値注文をすれば、指定した価格より株価が高くなったら「買い」、安くなったら「売る」ことができます。

それぞれ、「指定した価格以下で買い」、または「指定した価格以上で売り」とすることと逆の注文方法であることから「逆指値」と呼ばれています。逆指値の成行売りをしておくことによって、うまく損切りができます。

例えば、上昇を予想して買いポジションを持った場合、それと同時に損失の許容範囲となる株価をトリガー値段として逆指値の「売」注文を入れておけば、相場が想定通りに動かなかった場合にも、損失を一定範囲におさえることが可能です。

株価をずっと見ていると迷ってしまって損切りできなくなる人でも、逆指値の成行き売り注文をしておけば、確実に損切りできるのがメリットです。

株で損切りする時の税金対策!

損切りをする際には、きちんと税金についても考えておきましょう。以下では、損切り時の税金対策について説明していきます。

株で損切りする時の税金対策:節税のメリットとは

税金対策として損切りを行う場合には、年末に損切りを行っておくと良いです。なぜなら、損失を確定することによって、その年の利益額を減らすことができるからです。含み損の状態では税額控除の対象とはならないので、所得に影響を与えることはありません。

税金は、その年の利益額に対してかかるものなので、利益額を減らせばその分税額を減らすことが可能です。

株で損切りする時の税金対策:節税対策としての損切り例

税額がどれくらい変わるのかを、具体的に例を交えて説明していきましょう。

たとえば、その年に、100万円の投資を行い、10万円の利益を得ていたとしましょう。ここで一律20%の税金がかかるとすると、2万円税金を支払わなければなりません。

しかし、100万円の投資のうち、2万円損切りをしておけば、その分利益額が減って課税対象となるのが8万円で済みます。その結果、支払わなければならない税額は、1万6千円で済みます。

このように、きちんと年末に税金対策として損切りを行っておけば、税額を少なくすることができるのです。

株で損切りする時の税金対策:確定申告について

損切りによって節税するためには確定申告は必要となります。確定申告をしないと、その年の所得額を正確に計算することができないからです。

確定申告では、1年間(1月1日から12月31日)の所得、および所得に応じた税金(所得税)を申告します。通常、申告期間は2月16日から3月15日までとなるので、この期間にきちんと確定申告をしておきましょう。

実践!株で損切りまとめ

それでは、次に損切りの実践の仕方を具体的に説明していきます。

実践!株で損切りの手法:株価チャートを使って説明

以下のチャートを確認してください。

株価チャートを確認すると、14時20分に株価が急落していることがわかります。この株価の下降傾向はすでに13時00分から兆候があらわれていました。15時にはさらに株価が急落していることがわかります。

ここで、14時20分頃にきちんと損切りを行っておけば、さらに損失が拡大することもありません。このように、株価が下降傾向にある状態をきちんと見極めて株価が急落した際にきちんと損切りを行っておけば、さらに損失を大きくせずに済みます。

このチャートでは、株価が一気に5円近く急落しているので、株価の急落を損切りのルールとして、5円以上の株価の急落を損切りの具体的なルールにしておけば、さらに損失が拡大することを防ぐことができたということになります。

実践!損切りしない手法:ナンピン買いとは

ナンピン(難平)買いとは、保有している銘柄の株価が下がったときに、さらに買い増しをして平均購入単価を下げることを言います。

たとえば、1株100円の銘柄を10口購入したものの、株価が90円にまで下がったところで、さらに1株90円で10口購入したとします。この場合、(@100円×10口+@90円+10口)となるので、株の平均購入単価が95円となるので、株価が95円以上となったときにこの株を売却すれば、利益が出ることになります。

90円まで下がった株価が100円に戻るまでには時間がかかりますが、95円までに戻るまでにはそれほど時間がかからない場合、ナンピン買いをすることによって損失をすばやくリカバーできます。ナンピン買いをすれば、損切りをせずとも損失額を少なくすることができるというメリットがあります。

しかし、ナンピン買いはその株価の値下がりが一時的なもので、すぐに回復すると見込める場合にのみ有効です。この予測が外れてさらに株価が値下がりしてしまうと、損失をさらに広げてしまう場合もあるので注意が必要です。

株 損切りの関連用語とは

次に、損切りと関連する用語について解説しておきましょう。

株 損切りの関連用語①「含み損」

「含み損」とは、株式などの株価が、株式を購入したときの価格を下回っているときに出ている損失のことを言います。ただし、この損失は株式などを実際に売却していないので、まだ現実に損失とはなっていません。このような損失は実際の損失となっていないので、含み損と呼ばれます。

株 損切りの関連用語②「利食い」

「利食い」とは、利益が出ているときに投資のポジションを解消することを言います。通常、利益が出ているときに、投資のポジションを確定することは利確(りかく)と呼ばれますが、利食いは、より価格が上がる可能性があっても利益を確保するために売却することを言います。

まとめ

株式投資をするのであれば、損切りは欠かせません。損切りがうまくできないと、さらに損失を大きくしてしまいます。

しかし、いつ損切りをするべきかは非常に難しい問題です。課税額を少なくするために、損切りをする場合もあります。まずは、きちんと損切りの重要性について理解した上で、自分の投資スタイルに合った損切りの方法を確立することが大切です。

そのためには、きちんと損切りのルールを明確にして、ルールを具体化して適用できるようにしておくことが大切です。