ボリンジャーバンドの活用方法完全ガイド!正しい計算方法と設定期間の設け方

株式投資において、売買のタイミングを見極めるのに役立つテクニカル指標が「ボリンジャーバンド」。

上手く活用すれば順張りや逆張りなど、さまざまな場面でチャンスを狙うことができる強力なテクニカル指標ですが、あなたはこのボリンジャーバンドをうまく使いこなせていますか?

ボリンジャーバンドでは「σ(シグマ)」のような数式が利用されることもあり、なんだか複雑そうで、あまり仕組みをわからずに使ってしまっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし便利なボリンジャーバンドにも思わぬ落とし穴もあり、間違えた使い方では逆に大損してしまうことも。

そうならないためにも、今回はボリンジャーバンドについて基本的なことから、実際の取引タイミングに至るまで徹底的に解説してまいります。

ロンドンの機関投資家を始め、数多くのプロトレーダーたちが使いこなしているボリンジャーバンド、この記事を読んで是非ともマスターしてみましょう!

この記事を書いた人
株式会社ジャパンインベストメントスクール 株式投資コンサルタント ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格 日本最大級の投資スクール・メールマガジン「ジャパンインベストメントスクール」に所属。毎朝10万人以上に向けて、相場情報を届ける。

ボリンジャーバンドとは

ローソク足などのチャートに対し、その値動きが平均値からどのくらいズレているかを表すテクニカル指標が「ボリンジャーバンド」です。

ボリンジャーバンドは統計学の理論に基づいて出来ており、”標準偏差”と”正規分布”という考え方を用いて求められるのが特徴。
しかし、いきなりこのように耳慣れない言葉で説明されてもあまりピンと来ないかもしれませんね。

簡単に言えば、”標準偏差”とは学校などの偏差値と同じようなもので、「一定期間内におけるそれぞれの値が、期間の平均値からどれだけ離れているか」を表します。

また”正規分布”とは、例えば身長や体重などの分布表などに使われており、「平均値を基準に、ある値が発生する確率の違い」を表したもの、といったところです。

この2つの考え方からなるボリンジャーバンドは、後ほど詳しく説明しますが、-2σ~+2σ(シグマ)までの値により、その領域に収まる確率がわかるようになっています。

ボリンジャーバンドの計算式

では、ボリンジャーバンドはどのような計算式により算出されているのでしょうか。

まず、5本のバンドの真ん中である「ミッドバンド」については、通常21日間の移動平均線となっています。

そのため、ミッドバンドの計算式については【21日移動平均線=21日間の終値の合計÷20】となります。

次に、ミッドバンドの上下に2本ある「-2σ・-1σ」「+1σ・+2σ」のバンドの計算式についてですが、これについてはミッドバンドから、それぞれのσの数を足し引きすることで求めることが可能。

つまりは、

【-2σのバンド=ミッドバンド(21日移動平均線)-2σ】
【-1σのバンド=ミッドバンド(21日移動平均線)-1σ】
【+1σのバンド=ミッドバンド(21日移動平均線)+1σ】
【+2σのバンド=ミッドバンド(21日移動平均線)+2σ】

といった計算式になるのですね。

ここで、σの値はどうやって求めるのか?と疑問に思われるかもしれませんが、実はこのσが先ほどご説明した「標準偏差」になるのです。

標準偏差を求める計算式については少々複雑ですが、

【標準偏差=√(期間×株価の2乗-株価の合計の2乗)÷(期間×(期間-1))】

となります。

チャートでのボリンジャーバンドの表示

では、実際にチャート上では、ボリンジャーバンドがどのように表示されるかについて見てみましょう。

まず、ボリンジャーバンドは通常5本のバンドで表示され、上から順に「+2σ・+1σ・21日移動平均線・-1σ・-2σ」となります。

これらのバンドが、膨張したり収縮したりすることで相場の状態を分析したり、チャンスを見つけることができるのですが、それについて詳しくは次にご説明しましょう。

ボリンジャーバンドが表す相場の3つの状態

ボリンジャーバンドを見てみると、幅が膨らんだり縮んだりした部分があるのを見受けられますよね。

ボリンジャーバンドでは、こうした形の違いにより相場の状況を分析していくのですが、特に「スクイーズ」「バンドウォーク」「エクスパンジョン」といった3つの状態が重要となります。

では、これらの状態は何を意味しているのか、ここで学んでみましょう。

相場の変動が少ないスクイーズ

ボリンジャーバンドの幅が、絞られたようにぎゅっと狭まっている状態を「スクイーズ」と言います。

スクイーズの間は値動きは小さく、取引も少ない状態で、いわゆる様子見ムードになっている状況。
ですがスクイーズが続けば続くほど、後に溜まったエネルギーが爆発するように、大きな変動が起きる可能性があり、うまくそのタイミングを見極めればチャンスを掴むこともできます。

強いトレンドを表すバンドウォーク

+1σや+2σのバンドに沿うように、ローソク足が上がっている状態を「バンドウォーク」と言い、強い上昇トレンドが発生していることを表しています。

バンドウォークが発生している場合、トレンドの流れに乗る順張りトレードを狙うのには最適と言えるでしょう。

また下降トレンドのバンドウォークが発生することもあり、-1σや-2σのバンドに沿うようにローソク足が下がっている状態であれば、下落の勢いが強いと見ることができます。

値動きと逆に開くエクスパンジョン

スクイーズの状態から、溜まったエネルギーが爆発するように大きな値動きが起こった場合に現れるのが、大きくボリンジャーバンドの幅が広がる「エクスパンジョン」。

エクスパンジョンでは開いた幅が広ければ広いほど、値動きした方向へのトレンドの強さを見ることができます。

開き始めでエントリーすることができれば、トレンドに乗って大きな利益を狙うことも可能となりますので、順張りのチャンスを狙う際にはこのタイミングを見極めていきましょう。

ボリンジャーバンドを使った取引タイミング

ここまでで、ボリンジャーバンドの基本的なことについては理解できましたでしょうか。

それでは、ここからは実際にボリンジャーバンドを使って取引をするタイミングについて解説いたします。

ブレイクアウトを狙った順張り

順張りとしては、スクイーズでエネルギーを溜めている状態から大きな値動きが起こる「ブレイクアウト」が狙い目です。

この時には、値動きした方向へ強いトレンドを示すサインである「バンドウォーク」の状態が現れたタイミングでエントリーするとより確実と言えるでしょう。

うまくブレイクアウトに乗れた場合、利益確定のタイミングとしてはバンドが収縮してきた頃合いを見計らって売買の決済をするのがポイント。

バンドの収縮はトレンドの勢いが衰え、再びレンジ相場に入っていくサインであるため、その前に利益を確定してしまうのがベストです。

支持線の抵抗を使って逆張り

ボリンジャーバンドでは、株価の値が±2σを超えた時のようにミッドバンドから大きく外れると、中央値に戻ろうとする力が働き始めると考えられます。

なぜなら正規分布の確率に基づいても、±1σ内に株価が収まる確率は約68%、±2σ内ならば約95%にまで確率が上がるため。

つまり、±2σを超えて株価が存在し続ける確率は約5%程度と、非常に稀なケースでしか起こりえないためですね。

そのため、このような戻りの動きを利用し、逆張りでのトレードを行うにもボリンジャーバンドは適しています。

この場合は±2σのバンドを支持線と捉え、ここでの反発を見越し、トレンドの転換点となることも想定して逆張りの注文を入れるのが良いでしょう。

値動きが読めないなら取引しない

相場において、トレンドが発生している期間とレンジに入っている期間の長さを比較すると、だいたい3:7になると言われています。

つまり、相場における7割の期間は横ばいのレンジ相場であるということ。ボリンジャーバンドで考えれば、7割はスクイーズの状態であるということですね。

横ばいが続くと、待ちきれずに一か八かでエントリーしてしたくなってしまうかもしれませんが、やはりこのように値動きが読めない時の取引は危険なので避けるべきです。

スクイーズの状態で無理に注文を入れても、値動きが少ないため利益は高望みできない上に、急激な相場変動で損をするリスクも高いと考えられるでしょう。

なので取引を焦らず、じっくりとエクスパンションの兆しが見えるまで待つことが、ボリンジャーバンドを使ったトレードでは大切です。

ボリンジャーバンドの設定期間

ボリンジャーバンドでは、目的やトレードスタイルによって設定期間をさまざまに切り替えて使います。

ではどのような場合に、いくつの設定期間にするのかが適しているかについて、学んでいきましょう。

デフォルトは21に設定されている

ボリンジャーバンドでは、移動平均線や標準偏差におけるデフォルトの値を「21」に設定されています。

これはボリンジャーバンドの開発時に、「21」の設定が売買シグナルを見出しやすかったため考案者であるジョン・ボリンジャーによって採用されました。

現在においても、相場に大きく影響を与えるロンドンの機関投資家など、多くのプロトレーダーがこの設定で分析しているため、同じ設定で見ることは彼らの動向を掴むうえでも参考となるでしょう。

デイトレードをするなら短い設定期間

ボリンジャーバンドを活用したデイトレードを行う場合、設定は「9」や「10」など、短い期間にするのがおすすめです。

このような短い設定期間のボリンジャーバンドでは、それだけ株価の変動が細かくチャートに反映されやすくなり、エントリ―できる機会を増やせるようになります。

またローソク足に関しても、デイトレに適した15分足や5分足など、日足よりも短い時間足を使うことが適しているでしょう。

長期保有が前提なら長い設定期間

株の長期保有を前提に、長いスパンでのトレードを考えているなら設定期間も「50」や「75」など、長い期間にするのが良いでしょう。この場合、長く保有するだけにエントリータイミングは慎重に見極めることが大切です。

時間足においても周足や年足といった長期でも見ておき、その上でエクスパンションが開き始めていることの確認を怠らないようにしましょう。

ボリンジャーバンドによる分析の落とし穴

非常に役立つ分析ツールであるボリンジャーバンドですが、決して万能と言うわけではなく使い方によっては逆に損失を出してしまうような落とし穴も。

そこで、ボリンジャーバンドで分析をする際に気を付けておくべき点についても理解しておきましょう。

世情でボリンジャーバンドにだまし

株式相場では、企業の突発的な発表や事件、国の政策変更などで、株価がそれまでの流れとは大きく変動して動くことがしばしばあります。

ゆえに、たとえボリンジャーバンドによる分析で絶好のチャンスと判断できたとしても、予期せぬ事態で全く予想とは別の動きをしてしまうことも。

そのため、たとえばボリンジャーバンドだけを見て逆張りを仕込もうとすると、こうした世情で±3σをゆうに超えてしまい、大損するリスクもあるので注意が必要です。

ボリンジャーバンドは将来の保証をしない

ボリンジャーバンドは、あくまで過去のデータに基づいた「予測」にすぎません。そのため将来の保証があるわけではなく、必ずしも現実の値動きがその予測に追従するわけではないということを頭に入れておきましょう。

先ほども述べたように、大きなニュースが発表された際や、経済情勢によっては±3σから外れることもありうるので、あまりにボリンジャーバンドを信じすぎるのは禁物です。

トレンド予想は複数の分析で補強

ボリンジャーバンドによる分析では、相場の方向性や変動幅を表すことに関しては強みがありますが、一方で相場予測に必要なすべてがわかるわけではありません。

そのため、ボリンジャーバンドだけを使うのではなく、移動平均線や出来高など他の分析ツールも併用することが予想の的中率を上げるためには大切。

たとえば、ボリンジャーバンドによりエントリーチャンスと思われるタイミングを見つけた場合に、移動平均線のゴールデンクロスやMACDのクロスなど、他のテクニカル分析のチャンスサインとも重なっていることを確認できれば、分析の精度が上がりより確実なトレードができるでしょう。

まとめ

今回は、ボリンジャーバンドについて詳しく解説してまいりました。

ボリンジャーバンドでは「スクイーズ」「バンドウォーク」「エクスパンジョン」といった3つの状態がカギとなりますので、さまざまなチャートを分析することでこれらのサインを見つけられるようになるのが使いこなすための第一歩です。

順張り・逆張りともに活用できるボリンジャーバンド、是非とも使いこなして株の売買を有利に進めていきましょう!