トレイリングストップ(トレーリングストップ)注文とは?意味と仕組みを完全ガイド!

株やFXの取引を成立させる注文方法には様々な種類があります。最も一般的な注文方法は指値注文と呼ばれる価格を設定して注文をする方法ですが、それ以外にも特徴のある注文方法がたくさんあります。

それぞれの注文方法ごとにメリット・デメリットがあるので、特徴に合わせた注文ができるようになれば、スムーズに取引ができるようになります。

この記事では、その内のひとつ「トレイリングストップ注文」という特殊な注文方法について説明していきます。

トレイリングストップ注文が適切にできるようになれば、大きな損失を被るリスクを回避できるようにようになりますし、小さな利益をコツコツ積み重ねることも可能になりますよ。

この記事を書いた人
株式会社ジャパンインベストメントスクール 株式投資コンサルタント ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格 日本最大級の投資スクール・メールマガジン「ジャパンインベストメントスクール」に所属。毎朝10万人以上に向けて、相場情報を届ける。

トレイリングストップとは

まずはトレイリングストップという言葉を理解することからはじめていきましょう。

トレイリングストップの意味とは

トレイリングストップとは、株式などの注文方法の一つで、同じ売るなら少しでも高いところで売りたい、高値から下落してきたところで売りたい、という場合などに活用できる注文方法です。

トレイリングは、日本語で「追いかけていく」あるいは「(山の稜線などの)何かに沿って歩く」という意味を持っています。

トレイリングストップは、高値・安値に合わせて(高値・安値を追いかけて)、逆指値注文をリアルタイムで自動修正する(ストップする)機能を追加した自動売買なので、FX、株式投資など取引する商品に関わらず、知っておくと大変便利な注文方法です。トレール注文と呼ばれることもあります。

トレイリングストップとは:仕組みと注文例

トレイリングストップ注文は、株価が上昇したら、それに合わせて利食いするポイントも上げていき、株価が下落した場合には一定の価格で決済するという注文方法です。

たとえば、株価が上昇しているときに「買いでエントリー」したとします。このとき、株価が下がったら、それ以上損失が大きくなるのを防ぐために「損切り」するのが普通です。この「損切り」は「stop loss(ストップロス:損失を止める)」と呼ばれます。

しかし、株価が下がらずに上昇したら「損切りする予定だった価格(stop)も引上げて(trail)、損失額を小さくすることができます。これがトレイリングストップ注文の仕組みです。ここで説明した内容を図にすると以下のようになります。

トレイリングストップとは:メリットとは

トレイリングストップ注文最大のメリットは、損失を最小限に抑えながらも、利益を伸ばせることです。株価が上がり続けている場面では、利益を最大まで伸ばすことができます。

トレイリングストップ注文であれば、難しい予測をしなくても、株価の動きに合わせるだけで最大の利益を得られます。

トレイリングストップとは:デメリットとは

トレイリングストップ注文のデメリットは、価格上昇に合わせてロスカットラインを切り上げたことで、一時的な押し目でロスカットラインに達して決済してしまうことです。

トレンドが出ていない「レンジ相場」では、逆指値を引上げる前に株価が下落してしまい、そこで決済してしまいます。

つまり、価格が上昇傾向にないような状況では、トレイリングストップ注文最大のメリットである利益を最大にしながらも損失を最小にするというメリットを享受できません。そのため、トレイリングストップ注文を行う場合には、トレンドをきちんと読む必要があります。

トレイリングストップの使い方

次にトレイリングストップ注文の使い方について詳しく説明していきましょう。

トレイリングストップの使い方:買ってすぐ

まずは買ってすぐにトレイリングストップ注文を使う方法から解説していきます。買ってすぐにトレーリングストップを設定すれば、価格が上昇していけば利益を確保したまま利食いチャンスの逃さずに捉えることができます。

値下がり時の損失を最小限にくいとめ、また値上がり時は利益を確保したまま下落トレンドに入ったとたんに決済する狙いです。

トレイリングストップの使い方:大幅下落からのリバウンド

トレイリングストップ注文は、株価が大きく下落したあと、リバウンドして上がり始めたところを買う場合にも活用できます。下降トレンドでは、株価が高値を切下げながら動いていくので、高値を切上げたところでエントリーします。

大幅な下落からのリバウンドを狙って、トレイリングストップ注文をしておけば、着実に利益を積み重ねることが可能です。

トレイリングストップの使い方:動意付け

トレイリングストップ注文は、短期売買で少しでも動意付いたところを狙う場合にも活用できます。

動意付くとは、株価に明確な上げ方向感が出ることを言います。少しでも動意付きが起きたところを狙ってトレイリングストップ注文を出しておけば、小さな利益でも確実に得られます。

トレイリングストップができる証券会社について

さらに、トレイリングストップ注文ができる証券会社を紹介していきましょう。

トレイリングストップができる証券会社:株式取引

株式取引でトレイリングストップをしたいのであれば、カブドットコム証券・マネックス証券・楽天証券・岡三オンライン証券などが代表的です。

なお、楽天証券では、トレイリングストップ注文をトレイリング注文と呼んでおり、岡三オンライン証券では、トレール注文・トリガートレール注文と呼んでいます。いずれの呼び方であっても、同じようにトレイリングストップ注文ができます。

トレイリングストップができる証券会社:FXトレード

FXトレードでトレイリングストップ注文ができる証券会社は以下の表の通りです。すべての証券会社でトレイリングストップ注文ができるわけではないので、この点を理解して口座を開設することが大切です。

FX会社 トレイリングストップ注文
GMOクリック証券 ×
DMM FX ×
SBI FXトレード
ヒロセ通商
外為ジャパン ×
JFX
外為オンライン
FXトレード・フィナンシャル
みんなのFX
マネーパートナーズ ×
YJFX!
ひまわり証券
マネックスFX
アイネットFX

実践!トレイリングストップまとめ

それでは、実際にトレイリングストップ注文を出す場合の注文方法を証券会社ごとにわかりやすく解説していきます。

実践!トレイリングストップ:マネックス証券(トレードステーション)の注文方法

マネックス証券にはトレードステーションという便利なトレーディングツールがあります。トレードステーションを使えば簡単にトレイリングストップ注文ができます。

マネックス証券のトレードステーションでは、注文発注時の株価を基準に数値の幅、パーセンテージ幅のいずれかで指定することが可能です。注文時に「トレーリングストップ」を指定して注文します。

実践!トレイリングストップ:楽天証券(マーケットスピード)の注文方法

楽天証券には、マーケットスピードという便利なトレーディングツールがあります。マーケットスピードを使えば、簡単にトレイリングストップ注文が可能です。

現物取引の売り注文と信用取引の返済注文でのみ利用することができます。あらかじめ損切りと利食いのルールを設定できるので、株価の動きに一喜一憂する必要がありません。

マーケットスピードでトレイリングストップ注文をするときの画面は以下の通りです。以下の図では、株価が700円以下になったら損切りとして成行注文を発注し、株価が800円以上になったらトレイリング(発注価格の自動修正)を開始することを設定して、3トレイリング開始後の高値から100円下がったら利益確定として成行注文を発注しています。

実践!トレイリングストップ:メタトレーダーの設定方法

FX取引をする人たちに愛用されているメタトレーダーというトレーディングツールでも、トレイリングストップ注文が可能です。

トレイリングストップは、設定直後から稼動するものではなく、設定後、約定価格から指定したトレイル幅分の利益が出てから稼動します。

メタトレーダーのチャート内に表示される緑色の一点鎖線を右クリックすると、「トレイリング・ストップ」という項目があるのでそこをクリックします。

その後、ターミナルウインドウ内、「取引」タブ内に表示されている、保有中のポジションから、トレイリング・ストップを有効にしたいポジションを右クリックし、「トレイリング・ストップ」をクリックします。

望の数値を入力し、「OK」ボタンをクリックすれば、トレイリングストップ注文が完了します。

トレイリングストップの関連用語とは

最後にトレイリングストップの関連用語を説明しておきましょう。

トレイリングストップの関連用語①「利食い」

利食いとは、株などの有価証券を購入した後、その証券が値上がりした際に売却をして利益を得ることを言います。一般に、積極的でない理由で利益を確定する場合に呼ぶケースが多いです。

トレイリングストップの関連用語②「損切り」

損切りとは、値下がりし株式や証券、外貨を売って、損失を確定することを言います。損失を確定させることを言いますが、一般に積極的でない理由で損失を確定させる場合を損切りと呼ぶことが多いです。

トレイリングストップの関連用語③「ロスカットライン」

損失が拡大しないよう、証拠金維持率を割り込んだ時点で保持しているポジションを自動的に清算(ロスカット)することをロスカットと言います。

各証券会社によって証拠金維持率の数字は異なりますが、ロスカットされるところをロスカットラインと呼びます。

トレイリングストップの関連用語④「逆指値」

逆指値注文とはあらかじめ価格を設定し、指定した値段以上(以下)になると指定した指値もしくは成行で注文する方法を言います。

まとめ

トレイリングストップ注文をすれば、株価の上昇幅、または下落幅に合わせて、逆指値注文のトリガーとなる価格をリアルタイムで自動で修正してくれます。

そのため、価格が上昇している場面では、株価の上昇幅に合わせて逆指値注文のトリガーとなる価格を設定することで自動に決済してくれますし、価格が下落している場面では、株価の下落幅に合わせて逆指値注文のトリガーとなる価格を設定することで自動に決済してくれます。

これによって、大きな損失を被る可能性を低減することが可能です。トレイリングストップ注文を上手に使えるようになれば、最小限で損失を限定しながら、利益を伸ばすことができます。