老後っていくら必要なの?必要な資金額から資金準備方法をご紹介

「老後の準備ができていなくて不安を感じる」

「老後にいくらのお金が必要なのか分からない」

あなたはこのような悩みを持ち続けてはいませんか?

人生100年時代と言われる今日この頃。老後の準備が整っていない40代から50代の方が多く見受けられますが、このままでは安心して老後を迎えることができないでしょう。

でも、安心してください!今、老後にかかるお金をしっかりと学べば、不安のない老後を迎えることができ、楽しい老後を過ごすことが可能になります。

この記事を読んで、少しでも「老後のお金」に対する不安をなくすことができれば幸いです。

この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。

老後に必要な資金は人によって異なる

老後に必要な資金は、「3,000万円」「5,000万円」「1億」など人によって異なります。つまり、あなた自身を取り巻く状況等によって必要な額は変わってくる、という意味です。

サラリーマンと自営業では貰える年金が異なりますし、夫婦と単身者でも必要な資金額は異なることを覚えておくとよいでしょう。

それでは、早速ですが、老後に必要な資金を計算する方法をみていきましょう。

必要な老後資金額を計算する

「老後に2000万円必要だと今言われても、そんなお金なんかない!」と老後を不安になっているだけでは、何も始まりません。

まずは、現実的にどのくらいの資金が必要なのかを計算をしてみることが大切です。

  1. 生活にかかる支出
  2. 貰える年金
  3. 90歳まで生きると仮定した場合に必要となる老後資産

上記ステップに沿って老後資金の計算方法を分かりやすくまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

1.まずは生活に掛かる支出を計算する

あなたは日本人の平均寿命をご存知ですか?

厚生労働省の平成30年「簡易生命表」によると、男女別の日本人の平均寿命は、

男性:81.25歳

女性:87.32歳

となっています。この機会に覚えておきましょう。

さて、総務省の家計調査の平均支出額は高齢無職世帯の消費支出は「月平均約24万円」だとされていますが、ゆとりある老後の生活費は「月平均35.4万円」と言われています。

これはあくまでも目安となる金額であるため、正確な生活費ではありませんが「あなたの老後の生活費」を検討する上で役立つでしょう。

統計局の公式サイトはこちら

消費支出には以下などが含まれます。

老後の生活費(平均月額、60~69歳、2人以上の世帯の場合)

食料 71,231円
住居 18,188円
光熱費・水道料 23,874円
家具・家事用品 11,411円
被服および履物 10,993円
保険医療 14,657円
交通・通信 40,766円
教育 1,581円
教養娯楽 29,871円
その他 69,275円

支出の方が収入を上回っているのが分かりますね!

上記の場合、月に合計291,847円が必要となる計算となっています。

老後生活の支出と収入をみてみると、貯蓄などを切り崩しながら生活をしていかなくてはならない、ということがこの数値から読み取れます。

ではここで、65歳の公的年金受給開始以降に必要となるであろう生活資金を試算してみましょう!

男女の平均寿命から考えた上で、65歳以降のセカンドライフをおおまかに20年とすると…

(支出額291,847円-収入額221,507円)×12か月×20年=16,881,600円

となり、65歳の公的年金受給開始時に約1,700万円の資金を準備しておく必要があることが分かりますね。

このように具体的に生活費を数値に出すことで、老後に必要となるお金を把握することができるようになります。

まだまだ先のことのように見えるかもしれませんが、老後を迎えてからでは遅すぎます。老後を楽しみたいのであれば、今、老後に必要な生活費を計算し、しっかり把握しましょう!

2.貰える年金を仮定する

また、公的年金がもらえるのは、男性で1961年4月2日以降生まれ、女性で1966年4月2日以降生まれの人は65歳からになります。

2016年厚生労働省年金局調べによると、

  • 厚生年金 月額約14.8万円
  • 国民年金 月額約5.5万円

上記金額が支給されることが分かります。

年金の見込み額を知るためには「ねんきんネット」の見込み額試算の利用をお勧めします。

また、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」でも年金の見込み額を確認することができます。50歳以上の方は、日本年金機構で管理している個人記録に基づいた年金見込み額試算を郵送してもらえますので、安心してください。

公的年金とは、老後の生活の大きな支えとなるもので、「老齢基礎年金」とも呼ばれ、国が運営する年金全体のことを指します。

老齢基礎年金は、「国民年金に10年以上加入した人が65歳から受け取れる、全国民に共通した年金」のことです。

公的年金制度には「国民年金」と「厚生年金」の2つの種類があり、20歳以上60歳未満の全ての国民が公的年金に加入しなくてはなりません。(国民皆年金(こくみんかいねんきん))

3.90歳まで生きると仮定し必要な老後資金を計算する

老後の収入と支出を想像することができましたね!

あとは、65歳~90歳までという仮のゴールを設定し、次の計算式を使って計算してみましょう。

(65歳からの公的年金収入(夫+妻)-1カ月の支出)×12カ月×25年

例えば、65歳から90歳までに必要な老後資金を計算する場合、

<例>(23万円 -28万円)×12カ月×25年=▲1500万円(1)

となります。

次に、退職金や個人年金保険など公的年金以外の収入を合計します。以下の計算式を使います。

<例>退職金1500万円 +(個人年金保険50万円×10年)=2000万円(2)

(例)退職金+(個人年金保険など)

退職金は老後資金を考える際に欠かせない大切な資金です。

東京都産業労働局調査によると、中小企業の定年退職時の退職金はおよそ1,400万円、日本経済団体連合会調査いによると、上場企業や大手企業の場合は2,300万円だとされています。

また、老後に掛かる大きな出費を計算する必要もあります。

<例>リフォーム費用300万円+(旅行代50万円×10年)+葬式代2人分400万円=1200万円(3)

上記3つの項目を計算することで、65歳までに貯めるべき貯金額が分かります。

(1)▲1500万円 +(2)2000万円 -(3)1200万円=▲700万円

この場合、65歳までに700万円貯蓄すれば安心して老後を迎えることができる、ということが言えます。

現在あなたが40歳の場合、65歳まで働くと仮定した場合あと25年あるため、「年間28万円」が老後資金の目標額となります。

不安なく老後を迎えるために1700万円が必要だと考えるとドキドキしますが、不足分の700万円を今から貯めれば何とかなる、と思えば気持ちがラクになりますね!

自分で計算が面倒な場合はシミュレーション利用がおすすめ

「老後資金の計算を自身で行うのが面倒だ」

「老後資金の計算をパパッと済ませたい!」

と感じる方は「シミュレーション」の利用をおすすめします。不明な項目などは平均額で計算できるシミュレーションもあります。

いろいろ試してみるとよいでしょう。

  1. あんしん老後の貯蓄計画プラン
  2. JAバンク老後資金シミュレーション
  3. 松井証券将来シミュレーター

老後資金をつくる方法

老後資金をつくるにはさまざまな方法があるのをご存知でしょうか?

今回は7つの方法を紹介しますので、あなたに合った方法で老後資金を貯めていきましょう。

定期預金などの預貯金

まず、多くの方がすでにされていることだと思われますが、毎月一定の金額を預金する積立預金やスーパー定期、大口定期と言った定期預金で老後資金を貯めることが可能です。変動金利や固定金利など、各金融機関によってさまざまな預貯金が提供されています。

これまで使っている金融機関がベストだとは限りませんので、この機会に他の金融機関が提供しているサービスをチェックしてみるのもよいでしょう。

あなたのニーズに一番合った金融機関を利用することで、賢く老後資金を貯めることが可能になります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用する

毎月掛け金を支払うことで全額所得控除になり節税もできる「iDeCo」を利用している方も多いでしょう。

個人型確定拠出年金のiDeCoは、60歳まで引き出すことができません。そのため、強制的に老後資金を貯めたり、運用することができます。

緊急でお金が必要になった場合は、利用できませんので注意が必要です。

小規模企業共済(NISA)を利用する

NISAは、小規模企業共済とは積立によって退職金を自分で用意する制度で、自営業やフリーランスの人におすすめです。

通常の積み立てと異なる点は、掛け金が全額所得控除の対象であるため、高い節税効果を見込める点だとされています。

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。

引用元:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html

プロに投資を委託する投資信託

投資信託は、少額から投資することも可能です。プロに投資を委託するので、投資に詳しくなくても気軽に始められるのが魅力的です。

ただし、元本保証がなく、運用成績によっては分配金が出ないだけではなく、目減りする可能性もあるので注意が必要です。

保険を活用する

「保険」は、上記3つの方法を利用することに抵抗を感じる方におすすめです。

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険とは、低く解約返戻金を抑えた終身保険のことです。

この保険は、通常の終身保険と異なり、保険料を払い込んでいる間は解約返戻金が低く抑え、保険料の払い込みを終えた後、解約返戻金はどんどん増えるシステムになっています。

場合によっては、保険料と同等、もしくはそれ以上の解約返戻金を受け取れるタイプもあるので、いろいろな商品を比べてみるとよいでしょう。

個人年金保険

個人年金保険とは、老後資金の準備のための保険を意味します。

所定の期間まで保険料を支払うことで、60歳、65歳などから5年10年、15年など分けた形で「年金」として受け取れるものです。

外貨建て保険

外貨建て保険とは、積立金を外貨で運用するタイプの生命保険です。

補償内容として終身保険や個人年金保険などさまざまな種類がありますが、元本割れをする可能性もあるので注意が必要です。

固定費を見直し毎月の老後貯金額を増やす

貯蓄や投資、保険で老後資産を増やすことに抵抗を感じる方は、光熱費、通信費、食費などの固定費を見直し、無駄を減らすことで老後資金を貯めるとよいでしょう。

ただし、大幅に切り詰め一気に生活水準を落とすのは難しいため、少しずつ続けられるものをコツコツ実践していくことが重要です。

老後も現役で働く

投資スクール 学び

今後、日本は人口減少により労働力不足は進んでいくでしょう。つまり、労働者全体の65歳以上の割合が増えるため、老後も「現役」で働くことが一般的になることが推測できます。

投資など他の方法を利用して老後資金を貯めることができない方や、生活水準を低くしたくないと考えている方、体調管理に気をつけたい方は、老後も現役で仕事をしながら生計を立てるとよいでしょう。

老後資金で気を付けたい注意点

闇雲に老後資金を貯めるのは危険です。老後資金を貯める際に気をつけたいポイントが3つありますので、この機会にしっかりと理解しておきましょう。

  • 定期的に老後資金のシミュレーションをする
  • 自分に合った老後資金の調達・運用を
  • 老後の稼ぎすぎはNG

老後資金のシミュレーションは定期的に行う

必要な老後資金は「環境の変化」によって変動します。そのため、1度だけではなく定期的にシミュレーションを行うことが大切です。

例えば、

  1. 病気やケガで収入が減った
  2. 治療費がかかった
  3. 物価の変動(将来の年金額やモノの値段が変わる)

上記のようなイベント毎に、老後資金のシミュレーションを行えば、あなたが本当に必要とする老後資金を把握することが可能になります。

老後資金の調達や運用は自分に合ったものを利用する

また、現状の家計状況を把握せずに貯金を行っては意味がありません。どんなに良い貯蓄方法でも、それが自分に合ったものなのかどうかを自分で情報を集めて、判断する必要があります。

「私は大丈夫!」と思っている方も、今一度あなたの家計状況を確認してみてくださいね。

意外なところに落とし穴があるかもしれません。

老後の稼ぎすぎにも注意が必要

最後に注意していただきたいのが、老後も現役で働く場合のことです。老後も働く場合、年金と給与(総報酬)の合計が月47万円を超えた場合、年金の支給額が減額されてしまいます。

これは在職老齢年金制度の影響だとされています。よって、老後も現役でバリバリ働く予定だ!という方は年金と給与の合計が47万円以下になるように調整する必要があることを覚えておくとよいでしょう。

老後資金がいくら必要なのか計算してみる

人生100年時代。「老後は1人2000万円必要だ!」という誤解を招く情報がメディアで配信された時は、今後どうしたらいいものか本気で考えたものです。

老後資金がいくら必要なのか、あなたのライフスタイル、雇用スタイル、年金のタイプなどに影響するため、人それぞれ異なります。

安心して老後を迎えるためにも、今のうちに必要な老後資金を計算しましょう!