売り気配って何?買い気配との差と読み方をプロがわかりやすく解説!

株式投資の基本となるのは、板状況を見て売買のタイミングを見極めることです。

この記事では、板を見て売り気配もしくは買い気配なのか状況を把握するポイントや、株式投資における基礎知識などを詳しく紹介します。

これから株式投資をはじめる前に知っておきたい基本的な知識をわかりやすく紹介していますので、ぜひ参考にしてください!

この記事を書いた人
株式会社ジャパンインベストメントスクール 株式投資コンサルタント ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格 日本最大級の投資スクール・メールマガジン「ジャパンインベストメントスクール」に所属。毎朝10万人以上に向けて、相場情報を届ける。

株式投資の仕組みを理解しておこう

株式投資の仕組みや取引の流れなどの基礎知識を確認しておきましょう。

株式とは企業が発行するもの

株式投資における「株式(株)」とは、企業(株式会社)が運転資金を調達するための手段として発行するものです。

株式投資を行う目的で直接企業から株式を購入できるものではなく、東京証券取引所をはじめとした証券取引所で行います。

日本国内の企業数は約380万社(総務省統計局・平成28年の結果)ですが、日本の証券取引所に上場している企業数は約3,650社なので全体の約0.1%しか存在していません。

企業が発行した株式を購入した出資者は「株主」となり、以下の権利を得られます。

株主の権利
株主総会への参加、議決権 企業の経営に関わる方針を決める重要な場となる株主総会に参加して議決権を行使し、企業の意思決定に関わる
配当金の受け取り 企業が健全な経営で得た利益の一部を配当金として株主に還元する
株主優待の受け取り 企業によって自社製品やサービス利用、割引券などの特典を株主優待として用意している(株主優待を用意しているのは約1,300社)
株式を売却する権利 所有している株式の価格が高くなったタイミングで売却して利益を得られる
残余財産分配請求権 企業が解散した場合に残った財産が株主にも分配される

株式取引の流れについて

証券取引所で株式取引を行うためには証券会社の仲介が必要です。

株式取引は、個人投資家が証券会社に売買注文を出し、証券会社が証券取引所に注文を取り次いで取引が成立する仕組みになっています。具体的な流れは以下のようになります。

株式取引の流れ
1.口座開設 利用しやすい証券会社を選び、口座開設手続きをする
2.証券会社口座へ入金 証券会社の口座に購入資金を入金しておく
3.株式を購入 お好みの株式の買い注文をして購入する
4.株式を売却 お好みのタイミングで株式の売り注文をして売却する(この時点で損益が確定)
5.証券会社口座から出金 売却益などはいつでも証券会社口座から出金可能

証券会社によっては手数料の金額が異なり、パソコンやスマートフォンを利用して株価をチェックしながらいつでも売買注文を入れることができるなど、利便性やサービス内容が異なるため、利用しやすい証券会社を選ぶことをおすすめします。

また、ネット銀行と連携していると簡単に証券会社口座への入出金も可能です。

株の値動きがわかる板について知ろう

株式投資を成功させるためには、売買取引のタイミングをしっかり見極めることが大切です。

株式を購入した価格よりも高くなったタイミングで売って確実に売却益を得るために、株の値動きがわかる「板(いた)」の見方を覚えましょう。

板(いた)とはなにか

株式を売買するタイミングを見極めるために重要な要素となる板とは、「気配(または気配値)」とも呼ばれており、以下のように現在どの価格にどれだけの人が売りたい(買いたい)注文が入っているのかを示すものです。

売数量 値段(円) 買数量
300 520
200 510
100 500
490 100
480 300

上記の例では、売り注文が500円で100株・510円で200株・520円で300株、買い注文は490円で100株・480円で300株出ていることがわかります。

板に表示されるのは指値注文のみ

実際に株式取引を行う際に証券会社へ売買注文を出す場合は、さまざまな注文方法があることも覚えておきましょう。

基本的な注文方法として覚えておきたいのが指値注文成行注文です。

指値注文とは、希望する価格で売買したい場合にあらかじめ金額を指定して注文する方法です。

売り手と買い手の希望価格・数量が一致した時に売買成立(約定)しますが、指値注文の場合は条件によってはなかなか約定しない場合があります。

成行注文とは、希望価格を設定せずに「いくらでもいいからとにかく早く買いたい(売りたい)」と、その時の成り行きに任せて注文するため、スムーズに約定しますが想定していたよりも高い値段で購入する場合もあります。

そのときの板状況によって注文方法を変えることが大切ですが、板に表示されている売買価格は指値注文のみで、成行注文については表示されていません。

売り気配と買い気配とは

板状況が売り気配もしくは、買い気配になっているのかによって株価がどう動くのか推測できます。

売数量(売りに出されている株数)が示されている場合は、「この値段で株を売りたい!」という人が多い状況を示すので売り気配となります。

売数量(売り気配 値段(円) 買数量(買い気配
200 520
500 510
100 500
490 300
480 600

上記の場合は「500円で売りたい!」と希望する注文が100株あるのに、「500円で買いたい!」と希望する注文が100株に満たないため売買が成立していない状態を示しています。

逆に、買数量(買いたい株数)が示されている場合は、「この値段で株を買いたい!」という人が多い状況を示すことから買い気配と呼ばれています。

このような板状況は刻々と変動していますが、現在いくらで注文を出せば約定しやすいのか目安価格がわかりやすくなっています。

板には厚いと薄いがある

売買のタイミングを見極める際に注目したいのは板の「厚み」についてです。

売買されている株数が少ないと「薄い」、逆に多い場合は「厚い」と表現されます。

売り 値段(円) 買い
1,000 520
3,000 510
2,000 500
490 1000
480 600

上記の場合、売数量 > 買数量の状況になっているので、「売りが厚い」売りたい人が多い状況を示しており、この株式の売り注文が増えるほど株価が下がる傾向があります。

買いが極端に薄くなるほど暴落する可能性が高くなると考えられます。

売り 値段(円) 買い
100 520
200 510
100 500
490 3000
480 4000

上記のように、売数量 < 買数量の状況になると「買いが厚い」買いたい人が多い状況となるため、株価が上昇傾向になると考えられます。

どちらかの板が薄くなってくるほど激しい価格変動が起こりやすいため、とくに成行注文を出していると「思ってもいなかった価格で購入(売却)して大損した!」という結果にもなりかねないので注意が必要です。

売買以外に株で得られるメリットもある

株式投資は株式を良いタイミングで株式を売買して利益を得る(キャピタルゲイン)だけでなく、配当金や株主優待などのメリットも得られるのが特徴です。

企業の利益が還元される配当金

株式を発行している企業は株主から得た資金を元に経営活動を行い、年1~2回の決算ごとに利益の一部を株主へ配当金として還元します。

配当金は株式の売買にかかわらず所有しているだけで得られる利益(インカムゲイン)になります。

利益額はその時によって異なり、業績によっては配当金が前期よりも減る「減配」、もしくは全く配当金がない「無配」となることも想定されますが、順調に業績を伸ばしている企業ほど安定して配当金が増える「増配」になると期待できます。

また、創業100周年などを祝って「記念配当」が行われる場合もあります。

配当金は1株あたり配当金が○円として、持ち株数に応じて株主に分配されるので、以下のように配当利回りを計算できます。

【配当利回り = 配当金 ÷ 株価】

  • 1株500円、配当金5円の場合:5 ÷ 500 = 0.01(配当利回りは1%)
  • 1株500円、配当金10円の場合:10 ÷ 500 = 0.02(配当利回りは2%)

配当利回りの平均は1%から2%といわれており、2%以上になると高配当株になります。

現在、銀行の定期預金は0.2%程度なので、配当利回りが良い株式を保有している方が有利だと考えることができます。

株主優待による様々なサービスの提供

株式を発行している上場企業の中には、株主優待を用意している企業が約1,300社存在しています。

株主優待は株主に対して自社の商品やサービスなどの特典を用意するもので、株式の保有数や保有年数などによって特典の内容が異なる場合もあります。

投資金額に対して充実した内容の株主優待を用意している銘柄を選ぶことも大切なので、証券会社のスクリーニング機能(検索機能)を使って株主優待の内容を確認しながらお好みの銘柄を選ぶことをおすすめします。

覚えておきたい株式での税金や費用について

株式投資を行うにあたって覚えておきたい税金や費用などについて確認しておきましょう。

株式投資でかかる2種類の税金

株式投資における税金は、株式の売買によって得た利益にかかる譲渡益課税と、配当金を受け取ったときにかかる配当課税です。

譲渡益課税の税率は20.315%(所得税が15.315%、住民税が5%)となるので以下のように税額が決まります。

投資額100万円でA社の株式(1株1,000円)を1,000株購入した。株価が1,200円に上がったので全株売却し20万円の利益を得た。⇒ 200,000円 × 20.315% = 40,630円が税金になる

ただし、順調に売却益が出るとは限らず、タイミングによっては損失が出る場合もあるので、実際に譲渡益課税を計算する場合には1年間の譲渡益と譲渡損を通算して計算します。

証券会社で一般口座を開設して取引した場合は確定申告が必要になります。

配当金にかかる配当課税についても税率は20.315%ですが、原則的に源泉徴収課税となって配当金を受け取った段階ですでに税金が天引きされているため、確定申告は不要です。

株の取引口座によっては確定申告が不要

株式投資で利益を得た場合は、原則的に確定申告を行い適切に税金を納めなければいけませんが、証券会社の取引口座によっては確定申告の手間が省けるので、最初に口座開設する時点でそれぞれの違いをしっかり見極めておくことが大切です。

証券会社の取引口座
取引口座の種類 年間取引報告書の作成 確定申告の有無
一般口座 自分で作成する 原則必要(※)
特定口座(源泉徴収なし) 証券会社が作成する
特定口座(源泉徴収あり) 確定申告不要

※給与所得者は譲渡益20万円以上、専業主婦などの扶養者は38万円以上で申告が必要

特定口座の源泉徴収ありにしておけば、譲渡益が出たら証券会社が源泉徴収してくれるので確定申告を行う手間が省けます。

ただし、本来なら確定申告が不要な金額(給与所得者は20万円未満、扶養者は38万円未満)しか譲渡益を得ていない場合に「源泉徴収あり」を選んでいると支払わなくても良い税金が差し引かれてしまいます。

1年間で譲渡益が20万円(または38万円)以上は確実に得られて、確定申告の手間を省きたいという場合は特定口座の源泉徴収ありを、まだ譲渡益はそこまで得られる自信がないという場合は特定口座の源泉徴収なしを選択すると良いでしょう。

なお、取引口座の種類は後日変更することも可能なので、手続き方法は証券会社にご確認ください。

株式売買時には手数料が発生する

株式取引を行う際には、証券会社に支払う売買手数料が発生しますが、取引回数が増えるほど手数料分がかさんでしまうため、せっかく得た譲渡益が相殺されないように手数料の金額についても確認しておきましょう。

手数料の料金プランは約定ごとに発生するプランと、1日定額プランの2種類が用意されています。

1日あたりの発注回数が1~2回程度なら約定ごとプラン、1日に何度も発注する場合は1日定額プランを選ぶのがおすすめです。

証券会社によって売買手数料の金額は異なりますが、ネット証券会社は手数料が安く設定されているのが特徴です。

最長5年間税金のかからないNISAという制度がある

株式投資で得た譲渡益や配当金は原則的に税金が発生しますが、例外として最長5年間非課税期間が設定されるNISA(少額投資非課税制度)についても検討してみることをおすすめします。

NISA口座を開設すると、年間120万円を上限(5年で最大600万円)にした非課税投資枠が設定され、この範囲内で購入した株式投資で得た配当金や譲渡益が非課税となります。

本来なら約20%の税金がかかるところが非課税となるのは大きなメリットになりますが、他の一般口座や特定口座で得た譲渡益・譲渡損と損益通算できない点に注意しましょう。

株の基礎知識を知って株を始めよう

株式投資は単純に考えると、購入した時の価格よりも高く売却できれば利益を得られるものですが、実際には売買のタイミングを見極めるのが難しいものです。

銘柄によっては高騰・暴落のおそれもあるので、板状況を見て売り気配もしくは買い気配なのかを確認することが大切です。

また、売買で得られる利益以外にも配当金や株主優待で得られる利益もあるので、あなたに最適な銘柄をよく見極めながら株式投資をはじめてみましょう!