逆日歩とは?銘柄の確認方法と調べ方・予想の仕方を完全ガイド!

株式投資にも慣れてくると、買いだけではなく信用売り(空売り)でも利益を狙ってみたいと思うようになるかもしれません。

ですが、その際に注意しなくてはならないコストが「逆日歩」。

過去には1日当たり数千円にも及ぶ費用を付けた銘柄もあり、逆日歩を知らずに空売りをすることは命取りと言っても過言ではありません。

そこで今回はこの「逆日歩」について、基本的な仕組みからわかりやすく解説していきます。

この記事を読んだ後では、自信を持って空売りができるようになるだけでなく、逆日歩を逆手に取った買いエントリーまで身に付けることができますよ。

この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。

逆日歩とは制度信用取引で売り方が支払うコスト

信用売りをした際にコストとして払わなければならない「逆日歩」。

しかし、なぜこのようなコストが発生するのでしょうか?まずはその理由と逆日歩の仕組みについて理解していきましょう。

取引銘柄で逆日歩が発生する理由

まず「逆日歩」について理解するためには、その由来となっている「日歩」について知っておく必要があります。

「日歩」とは、株取引における利率のこと。

株取引では資金や株式を借り入れてトレードを行う”信用取引”という仕組みがあるため、こうした利率に関する用語も使われるのですね。

「日歩」は、主に資金を借りて株式を購入する”信用買い”において発生します。

ではそれを踏まえ「逆日歩」ですが、これはその名の通り日歩の逆。

つまり、資金を元に株式を借りて売却する”信用売り”で発生する利率となります。

信用売りは、投資家が証券会社から株式を借りて行うのですが、証券会社の元に貸し出せる株式のストックがないことも。

具体的に言えば、信用売り残高が信用買い残高を上回る状態が続いてしまうと、証券金融会社でも不足する株を手当できなくなってしまうのです。

そこで証券会社は他の金融機関などから株式を調達するのですが、その際に彼らに支払うコストがかかり、その分も投資家に請求しなければなりません。

これが「逆日歩」が発生する理由であり、信用売りを行う際には注意しなければならないポイントとされています。

逆日歩が確定するタイミング

逆日歩が発生するか・いくらになるかはその性質上、信用売りを行う時点ではわからないようになっています。

では、いつ逆日歩がわかるかと言うと、毎営業日の取引終了後に売買の差し引きがおこなわれ、そのタイミングで逆日歩の有無が確定する仕組み。

その利率については取引翌営業日に行われる入札によって決定されるため、先ほど述べた通り前もって逆日歩がいくらになるかは知ることができないのですね。

確定した逆日歩を確認する方法

確定した逆日歩を確認するには、日本証券金融株式会社の貸借取引情報を見るのが確実です。

ここでは逆日歩の利率だけではなく、個別の銘柄ごとに最大で利率がいくらになるのかなどの条件についても調べることができます。

信用売りを行う前に、あらかじめ大方の目安を付けておけば安心してトレードに臨むことができるので、積極的に活用していきたいところですね。

支払う逆日歩の計算方法

投資家が支払う逆日歩は、信用売りの建玉(たてぎょく=取引約定後に反対売買されないまま残っている未決済分)を保有している間、1日ごとに加算されます。

ちなみに取引所の営業日だけではなく、取引ができない土日や祝日も日々、加算されるので注意しましょう。

それを踏まえ、1日当たりのコストは【発生した逆日歩×空売り中の株数】という計算方法で求めることができます。

逆日歩の支払いと受け取り

逆日歩の支払いは、信用売り建玉の決済時。

返済するまでは経費として、信用保証金の余力に拘束されている状態となっています。

また信用買いをしていると逆日歩を受け取れるケースもあるのですが、その受け取りについても建玉を精算する時となっています。

逆日歩が起きやすい状況とは

逆日歩は不定期に発生するのではなく、起きやすい状況というものが存在します。

これを知っておけば、思わぬリスクを回避できることでしょう。

株主優待の権利を狙っている

株式投資の銘柄の中には、株主優待が非常に充実している”優待株”と呼ばれるものがあります。

こうした優待株は株主優待の権利目当てで買われることも多く、権利確定日に買いが殺到し、その翌営業日には売られるなどということも。

また、権利確定日の翌日には売られて値下がりを見込めることから、ここぞとばかりに信用売り注文を権利確定日に入れる投資家も少なくありません。

すると、権利確定日には買い・売りの注文が殺到します。

証券会社は信用売りのための株式を調達するために高額のコストを払わなければならなくなり、結果高い逆日歩が発生することがしばしばあります。

過去に権利確定日で逆日歩が発生した銘柄

実際に、過去に権利確定日で逆日歩が発生した銘柄のケースをご紹介します。

まずは、かっぱ寿司をはじめ多くの外食産業を手掛ける「コロワイド(7616)」。

こちらの銘柄は500株保有しているだけで、年に10,000円相当のお食事券が受け取れるなどと非常に充実した株主優待で有名。

それだけに権利確定日には高い逆日歩が付くことが多く、毎回平均して1,000円以上、高い時では2017年03月31日分に6,150円もの逆日歩が付けられたこともありました。

また、映画館でお馴染み「東映(9605)」でも、逆日歩のケースを見ることができます。

こちらは保有株式数に応じて映画の観覧無料券がもらえるという株主優待で、映画好きの投資家から注目を集める銘柄。

先ほどのコロワイドほどではありませんが、2018年03月31日分としては逆日歩540円を付けるなど、なかなかの信用売りコストとなっているようですね。

一度逆日歩が0円になっている

以前に逆日歩が付いていたものの、一度0円になっている銘柄も存在します。

ですがこうした銘柄は安心して信用売りできるというわけではなく、むしろ再び逆日歩が発生しやすいと言えるでしょう。

その理由としては、たとえ一旦入札で解決し逆日歩が0円になっても、依然として株不足自体は起きているということがほとんど。

なので、今後も株不足が起こって逆日歩が付きやすい状況となっているのですね。

逆日歩で損をしない信用取引のポイント

一歩間違えれば、高額になってしまいかねない逆日歩。

では、信用取引において逆日歩で損をしないポイントはどこにあるのでしょうか?

元々逆日歩がない一般信用取引だけをする

信用取引には、逆日歩の付く制度信用取引のほかに「一般信用取引」があります。

この「一般信用取引」では、証券会社が自ら資金や株を用意するために逆日歩がかからない仕組み。

その代わり、制度信用取引と比べ多少金利が高いことや、証券会社のストックが切れると信用売りができなくなってしまうといった面もあります。

しかし、逆日歩のコストを心配しなくていいというのは非常に大きなメリットなので、信用売りをするなら是非ともおすすめしたいところです。

逆日歩を予想するサービスを活用

逆日歩で損をしてしまうのは、事前にいくらになるかわからないのが原因として多いのではないでしょうか。

そこで、信用売りをする前に逆日歩を予想してくれるサービスを活用するのがおすすめ。

SBMC日興証券では「逆日歩予報」というサービスを提供しており、過去のデータを基に毎営業日3種類の予報をチェックすることができます。

直近で逆日歩が起きそうな銘柄と確率をリストアップできるので、うっかり高額な逆日歩で損をしてしまうといった事態も防げるでしょう。

SBMC日興証券を開設している方なら誰でも無料で利用することができますので、信用売りをするなら使っておいて損はありませんよ。

土日や連休前に空売りをしない

逆日歩は取引のできる営業日だけではなく、土日や祝日のような休日も日々加算されていきます。
そのため、なるべく土日や連休前には空売りをしないのがベスト。

中でもゴールデンウィークのある4月終盤や、年末年始で休場となる12月末には特に気を付けておきたいところですね。

現物取引だけでも逆日歩はチェックをしよう

信用売りはやらないので、逆日歩は自分に関係ないと感じた方もいるかもしれません。

しかし、実は現物取引でも逆日歩をチェックすることは非常に重要です。

現物取引に逆日歩をどのように活かせばよいのか、ここで解説いたします。

需要と供給のバランスを判断できる

現物取引でも逆日歩をチェックすることで、トレードに重要な需要と供給のバランスを判断できるのです。

その際に見るべきなのは「貸借倍率」。

これは【融資残高(信用買い残高)÷貸株残高(信用売り残高)】という計算で求められる指標で、1倍を超えるかどうかがポイント。

1倍を超えていれば信用買いをしている投資家のほうが多く、逆に1倍を切っていれば信用売りをしている投資家のほうが多いと考えられます。

倍率によって、信用買いポジション解消のための売り圧力があるか、信用売りでの逆日歩発生のリスクが生じます。

そのため、買い戻しによる株価の踏み上げがあるかなど、今後の値動きを予想するのにとても役立ちますよ。

逆日歩になったときの売買判断が早期に出来る

保有中の銘柄が逆日歩になった場合、一時的に買い戻しでの値上がりを期待した短期投資家が集まり、上下に荒い値動きとなることも。

値上がりする分には良いのですが、急激に上がったところで利益確定売りも殺到するため、知らずにいるといつのまにか今までの株価から暴落してしまって損をする可能性もあるでしょう。

なので現物取引でも、リスク回避のため逆日歩をチェックしておくことは欠かせません。

株価がどちらに転ぶかわかりませんが、万が一の大損を避ける対策は打てるようになりますよ。

知っておきたい逆日歩に関わる2つの格言

株式相場には、逆日歩が発生した場合について2つの格言があります。

ですがこの両者は「買うべき」「買わないべき」と、それぞれ真逆の考え方。

では、どちらに従えば良いのでしょうか?その理由についても解説いたします。

リスクを避ける「逆日歩に買いなし」

逆日歩が発生した銘柄は、トレードするべきでないとする格言が「逆日歩に買いなし」。

先ほども述べた通り逆日歩で短期投資家が殺到すれば、急騰の反動で大きく値下がりするケースがあるため、手を出さない方が良いといった考え方です。

リスク回避を第一とした格言であり、堅実なスタイルで長期目線の投資家はこの通りにするのが安全だと考えられます。

儲けを狙う「逆日歩に売りなし」

一方で、逆日歩が発生したら積極的にトレードするべきだとするのが「逆日歩に売りなし」。

逆日歩のコストに耐えられなくなった売り方の買戻しが起き、相場が仕手化して目先は大きく上昇することが期待できるため、買いで儲けを狙うチャンスとする考え方です。

エントリー・エグジットの判断を素早くできる短期投資家であれば、こちらの格言に従って逆日歩を攻めてみるのもありかもしれませんね。

まとめ

今回は逆日歩について解説いたしました。

トレードの損益とは別に、思わぬコストとなり得る逆日歩。

優待株や連休前の空売りでは注意しなくてはなりませんが、これを逆手に取ってトレードチャンスにする考え方もあるのですね。

この記事で逆日歩についてマスターしたら、予想や対策をして逆日歩でも利益を狙えるようになっていきましょう!