騰落率とは?プロが教える騰落率の意味と計算方法、騰落率ランキングの調べ方

これから株式投資をはじめるにあたって損をしないためにも、銘柄がどのように値動きしてきたかは把握できるようにしておきたいところ。

ですが各銘柄によって株価は異なることもあり、大変なように感じてしまうかもしれませんね。

そのような時に役立つのが、今回解説する「騰落率」です。

「騰落率」を見れば過去からの値動きの推移が一目でわかるため、多くの銘柄を比較する場合でも簡単に行うことができ、購入する候補を絞り込めるようになります。

この記事では具体的な騰落率の意味から銘柄の判断ポイント・さらには投資に関わる株以外の騰落率についても紹介いたしますので、是非ともこれからの投資に役立ててみてくださいね。

この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。

騰落率の意味と計算方法

まずは「騰落率」とはどういう意味なのか、どのように計算するのかなど、基本的な知識について学んでいきましょう。

特定期間の価格の変化を評価する指標

「騰落率」とは一言で言えば、特定の期間における価格の変化を評価するための指標。

具体的には、1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年などと決められた2つの時点の価格を比較して、以前より何パーセント上昇/下落したかを表しています。

騰落率の変化を見ることで、その期間内に価格にどれほどの影響を与える出来事があったかを判断することも可能となり、株をはじめ多くの投資で参考とされているのですね。

株価の騰落率の計算方法

株価において、前日と比較した騰落率の計算方法をご紹介します。

その計算式は、以下の通り。

【株価騰落率(%)=(当日の株価-前日の株価)÷前日の株価×100】

実際に計算してみると、例えば当日の株価が3000円、前日の株価が2800円の株があるとします。

この場合の株価騰落率は、(3000-2800)÷2800×100=約7.14%となるのですね。

株価騰落率は株式情報ツールなどであらかじめ計算された情報を見れることも多いですが、あえて自分で計算してみるのも値動きの感覚を掴むのにおすすめですよ。

騰落率が付く言葉の種類

「騰落率」という言葉が付くものも、比較する期間によりさまざまな種類があります。

中でもよく使われるものについて、以下の表にまとめてみましたので確認してみてください。

騰落率名 比較する期間
設定来騰落率 投資商品の設立時~現在
前日比騰落率 前日~当日
対1週間騰落率 1週間前~1週間後
対Nカ月騰落率 Nヵ月前~Nヵ月後
年間騰落率 1年前~1年後

騰落率を使って銘柄を判断する注意点

銘柄を判断する上で役立つ騰落率ですが、これを活用する際には注意しなければならない点も。

知らずに間違えてしまわないよう、ここで確認しておきましょう。

騰落率でわかるのは過去の情報

値動きがはっきりと反映された騰落率を見ていれば、銘柄の将来性まで判断できるように感じるかもしれません。

しかし、騰落率でわかるのはあくまでも”過去の情報”。

銘柄の未来がどうなるかについては、この指標だけで読み解くことはできないのですね。

騰落率が下がっていても「十分下がったから今後上がるだろう」と判断する場合もあれば、「これからさらに下げるかもしれない」と判断する場合もありさまざま。

なので騰落率だけでなく経済情勢や業績など、その他の情報も併せて総合的に判断するようにしたいところです。

高い騰落率に潜む投資のリスク

高い騰落率を示している銘柄や商品があると、思わず飛びつきたくなってしまうこともあるでしょう。

ですが騰落率は必ずしも企業や国の成長などといったポジティブな要因で高くなるわけではなく、暴落やその後の反発で一時的に急騰することもしばしば。

最近では前年にリラが暴落した反動を受け、2019年にトルコ関係の投資信託の騰落率が跳ね上がったのが良い例です。

このように騰落率だけを見ると優秀でも、値動きが上下に不安定で高リスクなだけといったケースもありますので、投資するかどうかは慎重に判断するようにしましょう。

騰落率がプラスでも投資の仕方でトータルはマイナス

同じ銘柄でも対象とする期間により、騰落率のプラス・マイナスが変わってくることもあります。

例えば数ヵ月の期間で見るとプラスに推移していても、直近の数日で見ると株価は下がっていることもあるでしょう。

そのため自分が売買を行ったタイミングも重要で、これによっては主要な騰落率がプラスとなっていても、自分の投資におけるトータルはマイナスとなる場合も。

なので騰落率を見る際には複数期間の騰落率におけるプラスマイナスを見ることや、自分が投資を始めたタイミングを意識することも重要となってくるのですね。

投信は騰落率が高くても分配金が下がる

投資信託においては、騰落率の高さに惹かれて選んでしまうと後悔する結果にも。

その理由は投資信託では騰落率がプラスと好調な運用であっても、投資家がもらえる”分配金”が上がるとは限らないため。

背景には分配金として支払われた分だけ、投資信託の元本である基準価格そのものの水準が目減りしてしまうという事情があります。

そのためリスク管理を踏まえると、基準価額そのものの目減りを防ぎ高い水準へと回復させるため、分配金を留保するという判断が取られることもあるでしょう。

こうした点は運用を任せる投資信託ならではのデメリットとも言えるため、少し注意が必要です。

株の騰落率ランキングの調べ方

ネット上には、騰落率ランキングを調べる上で便利なサイトやツールも多く存在します。

それらも使いこなして、気になる騰落率に素早くアクセスできるようになりましょう。

短期の個別銘柄はネット上のニュースサイト

前日比のように、短期の騰落率について調べるのならば株式情報サイトがおすすめ。

代表的なところでは、Yahoo!ファイナンスや株マップ・日本経済新聞といったサイトがありますので、ブックマークに入れておくと重宝するはず。

速報性が高いのが強みで、デイリーであれば当日の株取引が終了した時には随時更新されています。

ちなみに騰落率のことを「値上がり率」「値下がり率」などと表記される場合もありますが、同じ意味と捉えて大丈夫ですよ。

長期の投資ファンドの騰落率は公式HPでチェック

投資信託の場合は長期投資が前提となるため、チェックするのも数ヵ月~数年単位の騰落率となることでしょう。

そうした騰落率については、基本的に投資ファンドの公式ホームページに掲載されているため、そこから確認することができます。

例として「アセットマネジメントOne」のホームページをご覧いただくと、6ヵ月・1年・3年といった期間別にランキング形式で騰落率が紹介されていますね。

このように、投資信託では運営会社が見やすく情報を整理してくれていることも多いので、各ファンドの比較がしやすいのはメリットと言えます。

業界の動向を把握するなら業種別ランキング

投資では個別の銘柄やファンドだけでなく、全体的な業界の動向を把握しておくことも大切になります。

そこで騰落率の「業種別ランキング」もチェックしておけば、今の業界がどんな基調なのかを知ることができますよ。

掲載されているサイトはいくつかありますが、デイリー・週間・月刊と分けて検索できる「トレーダーズウェブ」がおすすめ。

日経平均株価では変化が小さくても、業界単位で見ると騰落率が大きい所が見つかることもよくあり、いち早く業界の将来を察知するのに役立つことでしょう。

【最新】過去1カ月の騰落率ランキングBest3

騰落率について一通り学んだところで、実際のデータも見てみましょう。

2020年1月~2月の株における、1ヵ月騰落率ランキングBest3をご紹介します。

1位:騰落率+61.32%「9325 ファイズホールディングス」

1ヵ月騰落率(2020年1月~2月) +61.32%
株価(2020年3月25日時点) 784円(前月比+298円)
時価総額 103億円
配当利回り 0.62%

「9325 ファイズホールディングス」は、通販サイト向けに倉庫内作業代行や拠点間輸送、宅配といったサービスを行っている企業。最大手のアマゾンを主要顧客としています。

1ヵ月での騰落率は+61.32%と、驚くべき上昇率を出していますね。

背景には新型コロナウイルスの流行が強く関係しており、巣ごもり消費により通販サイト需要の高まりが期待されたことで買いが集まったようです。

2位:騰落率+48.71%「6274 ヤマハモーターロボティクスホールディングス」

1ヵ月騰落率(2020年1月~2月) +48.71%
株価(2020年3月25日時点) 748円(前月比+245円)
時価総額 343億円
配当利回り —–

「6274 ヤマハモーターロボティクスホールディングス」は、半導体ボンディング装置を専業とするメーカー。世界で高いシェアを誇り、最近ではLED向け事業も拡大しています。

こちらの銘柄が50%近い騰落率となったのには、2020年2月上旬に親会社であるヤマハ発動機がTOBを行い、完全子会社化を目指すと発表したことが背景としてあります。

当時の株価は500円台でしたが、発表されたTOB価格は750円。

株価もその価格までは保証されているとの考えから、サヤ寄せしていく動きで一気に値上がりしました。

3位:騰落率+33.79%「3985 テモナ」

1ヵ月騰落率(2020年1月~2月) +33.79%
株価(2020年3月25日時点) 530円(前月比+172円)
時価総額 59.4億円
配当利回り —–

「3985 テモナ」は主に健康食品・化粧品について、通販システムでの定期販売で強いシェアを獲得している企業。

こちらも新型コロナウイルスの拡大から、外出せずに買い物のできる通販システムの需要が高まると見込まれ値上がりしました。

業界シェアトップの定期購入システム「たまごリピート」を手掛けていることもあり、プラットフォーマーとして強みをもっていることから、数ある通販関連銘柄でも特に注目が集まったようですね。

知っておきたい株以外の投資の騰落率

株以外にも、知っておくと投資判断に役立つ騰落率のデータはいくつか存在します。

最後にそれらをご紹介しますので、併せて覚えてしまいましょう。

ビットコインの騰落率

仮想通貨の代表とも言える、ビットコインの騰落率についてご紹介します。

【出典:TradingView】

ビットコインは2019年初頭と比べると一時的に2倍以上になったものの、7月あたりをピークに減少。

2020年に入り、新型コロナウイルスでの安全資産として再び買われる場面もありましたが、3月に入ると現金主義の流れで大きく下げる結果に。

ですがビットコインについては他の通貨よりは下落幅が小さく、仮想通貨の中でも信頼性を持っていることがうかがえますね。

マンションの資産価値の騰落率

不動産価格の動向を読み解くうえでも重要な、マンションの資産価値の騰落率についてもご紹介します。

2019年のデータが住まいサーフィンというサイトに掲載されているので、まずはこちらを参考にしてみてください。

東京23区で見ると、千代田区や渋谷区が高騰している傾向にありますが、これには駅周辺の再開発が進んだ背景がありました。

全国で見ると、京都や兵庫に騰落率65%越えのところが。

このデータを見るに、関西でも中心街に近いエリアのマンションではまだまだ価格が高騰する傾向にあるようですね。

まとめ

今回は「騰落率」について詳しく解説させていただきました。

株をはじめ、あらゆる投資において重要視される騰落率は、銘柄やファンドがどのような推移をしているか素早く把握できる便利な指標。

しかしあくまで、わかるのは過去の情報なので、将来を見る際にはその他の情報も併せて判断していくことも重要となります。

これから新たに投資を行いたいと考えている方にとっては、騰落率を知っておくと非常に役立つはずですので、是非とも活用してみてくださいね。