純金積立は儲かるの?今後の見通しとメリット・デメリット、おすすめ会社一覧

資産運用をはじめてみたいけど、損失を出すのは避けたいので安全性の高い方法を検討している方におすすめなのが純金積み立てです。

純金積み立ては投資初心者も参入しやすく、すでに他の投資を実践している方のリスク分散にも最適です。

この記事では、純金積み立てとはどのような資産運用なのか、シミュレーション結果、メリットやデメリットを含めた純金積み立てをはじめるにあたって知っておきたいポイントを紹介します。

純金積み立てにチャレンジしてみたいと検討している方は必見なので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
児玉一希
プロフィール・所持資格 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が定めている、ファイナンシャルプランナー技能士の資格を有し、当サイトの監修活動を始め、相場情報のまとめやコラムを寄稿する活動なども行なっている。

純金が安全な資産と言われる理由

資産運用の方法として純金積み立てのメリットが大きいとされているのは、他の資産と比べて純金の資産が安全だからです。

安全だといわれる理由は、インフレや有事などの影響を受けにくいからです。

たとえば通貨を発行している国が何らかの理由で傾いて信用を失ってしまうと、通貨の価値も失われる可能性が高くなります。

純金の場合は特定の国の信用に左右されるものではなく、世界各国共通で価値があるものと認識されており、金という金属そのものに希少性があることも大きなメリットになります。

純金積み立てとはどんな資産運用か

安全性が高い資産運用として注目される純金積み立てとは具体的にどのようなものか確認してみましょう。

毎月一定金額で純金を購入していく

純金積み立てとは、数千円を毎月一定額ずつ積み立てて、その分だけ金を購入するものです。

一度積み立てを設定しておくだけで自動的に口座から引き落としされた分だけ金が購入できる仕組みで、貴金属の販売会社や証券会社などで取り扱っています。

金の相場価格は他の投資方法と同じように日々変動していますが、長く続けるほど平均購入コストが低くなるのが特徴です。

投資する金額は毎月一定額ずつなので、金の価格が下がると多く購入できる、価格が上がると購入できるのが少なくなる・・・ので、長く続けるほど購入価格を平均化できるドルコスト平均法の恩恵を受けられます。

地金での購入より少額で始められる

金地金を現物で購入する投資方法は、g単位でも可能ですが地金相場は5,000~6,000円/g以上はかかります

金地金を購入しても安全に保管できる場所を確保する方法も難しく、盗難リスクの少ない銀行の貸金庫を利用する場合もそれなりにコストがかかります。

金地金投資と比較しても、純金積み立ては低コストで始められるのが大きな魅力です。

純金以外の貴金属でも資産運用できる

投資に利用できる貴金属は純金だけではなく、希少価値の高いプラチナや、価格のお手頃感があるでも資産運用できます。

プラチナは金よりも希少性が高い貴金属として知られていますが、金の相場価格はインフレや有事の影響を受けにくい一方で、プラチナは影響を受けやすい面があります。

また、銀は基本的には金の相場価格と連動する動きを見せていますが、インフレや有事の時には影響を受けやすくて、金は大きな変動がなくても銀は急降下する時もあります。

金の場合は長期間保有して安定した資産運用を行いたい方向けですが、プラチナや銀は価格変動が起こりやすいことから投機色が強い資産運用を行いたい方向けなので、目的に応じて使い分けることをおすすめします。

損をしたくない人向けの投資

有事の際に影響を受けやすい株式やFXなどの投資は、最悪の場合価値がゼロになってしまうケースも考えられるため、売買のタイミングを間違えると大きな損失を被る可能性があります。

純金積み立ては有事の時にも影響を受けにくく、価値がゼロになることはありません。

直近の状況をみても純金の価値は上がっていることから、初心者でも損をしにくい投資方法です。

知っておきたい純金積み立てのデメリット

純金積み立ては資産運用の方法としてメリットも多いですが、デメリットになる部分もいくつかあります。

積み立てを続けるには手数料がかかる

純金積み立ては買い付けをする際に手数料が発生し、購入する会社によっては年会費や売却・引出の際に手数料がさらに発生する場合があります。

そのため、引出時の金額によっては、純金に投資した時の金額と手数料を含めると損失が大きくなる可能性もあります。

純金積み立てを扱っている会社を選ぶ際には、何に手数料がどれだけかかるのかを確認しておきましょう。

投資を続けてもインカムゲインはない

株式投資は長期間保有しているだけでも配当金や分配金、株主優待などのインカムゲインがありますが、純金積み立ての場合は長く投資を続けていてもインカムゲインは発生しません

順調に純金の価値が上がり続けていれば良いのですが、純金相場の変動によっては手数料がかかる分だけ元金が減っていくデメリットがあります。

保管方法が消費寄託だと倒産で損をする可能性

純金積み立ての保管方法は購入会社によって特定保管消費寄託の2種類があります。

特定保管は、購入会社の資産と顧客の純金を区別して保管しますので、万が一会社が倒産した場合でも顧客の純金は必ず戻ってきます。

消費寄託は、購入会社に純金の所有権が移って会社の資産になってしまい、顧客は返還請求できる権利を持つ扱いになります。

つまり、消費寄託の場合は万が一会社が倒産すると純金が全て戻ってくるとは限らず、損失が生じる可能性もあるのです。

倒産リスクを考えると特定保管の安全性が高いといえますが、手数料に関しては消費寄託が割安に設定されていますので、どちらを優先するべきかをよく検討して購入会社を選ばなければいけません。

純金積み立ての儲けをシミュレーション

純金積み立てではどのくらいの儲けを期待できるのかシミュレーションしてみましょう。

純金の相場推移

過去最高価格を記録したのは1980年の6,495円/gで、当時は世界情勢が不安定な時期だったことから純金の価格が上昇しましたが、その数ヶ月後にはアメリカとソ連(当時)の緊張状態が緩和されたことで半額以上に下落しています。

最低価格を記録した1999年には1,000円/gを切ったのは、米ドルの信頼性が高まったことがきっかけで欧州の中央銀行などが純金をどんどん売却したことが下落の原因になったとされています。

2000年以降は純金相場は上昇を続けており、平均価格の推移を確認してみると年々上昇していることがわかります。

  • 2004年 約1,400円/g
  • 2009年 約2,900円/g
  • 2014年 約4,300円/g
  • 2019年 約4,900円/g

このように、15年間で3倍以上になっています。

直近10年での儲けとは

10年間純金積み立てを行っていた場合はどのくらい儲けが得られたのか、実際にシミュレーションしてみましょう。

  • 2010年5月(平均単価3,700円/g)~2020年3月(売却単価6,400円/g)
  • 10年間の合計重量:254.739g
  • 売却額:1,630,330円
  • 月間積立額:毎月1万円×10年=1,200,000円
  • 月額手数料:250円(2.5%)×10年=30,000円
  • 損益:400,330円
  • 年利換算:32.547%

このように、直近10年では純金相場が上昇トレンドだった背景もありますが、安定した利益を得られていました。

純金積み立ては今後どうなるか

これから純金積み立てを検討している方は今後の相場価格はどうなるのか気になりますよね。

貴金属の純金は限りある資源で陸上の埋蔵量は枯渇しそうなため、海底から採掘する方法もありますが、採掘コストがかかるため供給量は潤沢だとはいえません。

しかし純金に対する需要は常に高まっていることから、純金価格は値下がりしにくいと考えられます。

他の資産運用の分散先として根強い人気を誇り、有事の際には純金の需要が高まり価格も上がることが予想されるため、早い段階で少しずつ積み立てして購入することを検討してみましょう

純金積み立て会社を選ぶときの比較ポイント

純金積み立てを扱っている会社を選ぶ際のポイントを確認しておきましょう。

年間にかかるコスト

純金積み立てを行う会社を選ぶ際には、年間で発生するコスト(手数料)はどのくらいになるのかをチェックしましょう。

毎月の購入手数料は1.5~2.5%前後で一律に設定されている場合が多いですが、購入金額によっては変動する業者も存在しています。

仮に毎月1万円ずつ積み立てする場合、1.5%なら月150円×12ヶ月で1,800円ですが、2.5%なら月250円×12ヶ月で3,000円となります。

毎月の積立金額が多くなるほど手数料の差が大きくなってくるので、積立金額のバランスを考慮してください。

また、年会費有料の業者もありますので、できるだけ年会費無料を選びましょう。

積み立て会社の使いやすさ

業者によってサービス内容が全く異なるため、できるだけ使いやすい会社を選びましょう。

使いやすさをチェックするポイントは以下のとおりです。

  • WEBサイトの使いやすさ(商品購入画面はとくに重要)
  • 最低投資金額の低さ(初心者は参入しやすい方が良い)
  • スプレッドが小さい(購入価格と売却価格の差)

実際に利用してみなければわからない面もありますが、初心者にやさしい業者はWEBサイトが見やすくて扱いやすそうな印象ですぐに判断できますので、ぜひ参考にしてください。

どんな引き出し方法が選べるか

純金積み立てをしばらく続けて、引き出しをする方法は業者によって異なります。

  • 売却後に現金として受け取る
  • 純金の現物を受け取る
  • 金貨やジュエリーと等価交換する

会社によってはいくつかの選択肢から選べる場合があるので、状況に応じて選択することをおすすめします。

たとえば、現金で売却時のタイミングが悪くて購入時の価格や手数料分と合わせると損失が出る場合もありますし、現物として受け取っておけば下落したときのリスクを軽減できます。

おすすめの純金積み立て会社5選

純金積み立てを扱っているたくさんの会社から、少額投資における手数料の安さが魅力的な5社をピックアップしたので参考にしてください。

楽天証券

楽天証券はネット証券会社の中でも手数料の安さが魅力的な業者です。

最低積立額 毎月1,000円より
手数料 1.65%(買付代金の1.5%+消費税)
年会費 無料
最低積立額での年間コスト 204円(月17円×12ヶ月)
スプレッド 78円(2019年6月3日以降)
引き出し方法 現金

SBI証券

SBI証券も手数料が安いネット証券の一つで、ほぼ24時間リアルアイムで取引できるのが特徴です。

最低積立額 毎月1,000円より
手数料 2.2%(買付代金の2.0%+消費税)
年会費 無料
最低積立額での年間コスト 264円(月22円×12ヶ月)
スプレッド 93円(2020年4月18日現在)
引き出し方法 現物

マネックス証券

マネックス証券はスマホの専用画面でも快適に利用できる使いやすさが魅力です。

最低積立額 毎月1,000円より
手数料 2.75%(買付代金の2.5%+消費税)
年会費 無料
最低積立額での年間コスト 336円(月28円×12ヶ月)
スプレッド 111円(2020年4月18日現在)
引き出し方法 現物

田中貴金属工業

田中貴金属は長年貴金属の製造・販売を手がけており、50万人以上の顧客と取引している実績があります。

最低積立額 毎月3,000円より
手数料 3,000~29,000円 2.5%
29,000~49,000円 2.0%
50,000円以上 1.5%
年会費 1,080円
最低積立額での年間コスト 1,980円(月75円×12ヶ月、年会費1,080円)
スプレッド 120円(2020年4月18日現在)
引き出し方法 現金、現物、等価交換(ジュエリーや工芸品)

三菱マテリアル

三菱マテリアルは海外でも金の鍛錬メーカーとして有名で、自社鍛錬を行っている会社です。

最低積立額 毎月3,000円より
手数料 10,000円以上:1,000円につき26円
10,000円未満:1,000円につき31円
年会費 880円(残高報告書等郵送物の送付停止に申込すると無料に)
最低積立額での年間コスト 1,996円(93円×12ヶ月、年会費880円)
スプレッド WEB価格 98円(2020年4月18日現在)
引き出し方法 現物

純金積み立てにかかる税金

純金積み立て投資を行って得た利益分に対しては税金がかかるため適切に手続きを行いましょう。

積み立てた純金の売却で発生する税金

純金積み立てを行い、適切なタイミングで売却をして利益を得ると、以下のいずれかが発生します。

  • 譲渡所得(一般的なサラリーマン)
  • 雑所得(営利目的で継続して売買している)
  • 事業所得(事業として売買している)

逆に損失が発生すると、譲渡所得に関しては他の譲渡所得で得た利益と合わせて損益通算できます。

支払う税金の計算方法

純金積み立てで得た利益から税金額を算出する場合には以下の計算式を使います。

短期譲渡(保有期間5年以内)

譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除=課税所得額

長期譲渡(保有期間5年以上)

{譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除}×1/2=課税所得額

*保有期間が5年以上の場合は、譲渡所得の半分が税金となります。

損失が出た場合は損益通算を使える

純金積み立てで損失が出た場合の損益通算については、所得区分によって少し対応が異なります。

譲渡所得

同一年内に他の譲渡所得がある場合、損失の範囲内で控除可能ですが、譲渡所得以外の所得と損益通算できません。

雑所得

同一年内に他の雑所得がある場合は、損失の範囲内で控除可能ですが、雑所得以外の所得と損益通算できません。

なお、給与収入が2,000万円以下で、給与所得と退職所得以外の所得額から純金積み立ての売却損を差し引いて20万円以下だった場合は確定申告を行う必要はありません。

事業所得

他の所得と損益通算でき、さらに純損失が残ると翌年3年間の所得金額から繰越控除できます。

リスク分散のために純金積み立てを始めよう

金は希少価値が高い貴金属でもあり、投資対象としてもインフレや有事の影響を受けにくいことから安全性が高い投資方法の一つと考えられます。

純金積み立ては月1,000円から始められる、リスク分散にも最適な長期投資向けの投資方法です。

今後も純金価格は値下がりしにくいと予想できるため、手数料の安さやスプレッド、引き出し方法などの違いを見極めて最適な証券会社などで純金積み立てを始めてみることをおすすめします。